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クマガイ、これはお前の
「っ……!」
触手の盾を完全に突破された穴倉。
最初は、クマバズソーの進撃に対して、触手の回復力の方が上回っていた。
しかし、クマバズソーが触手の盾を切る速度が増し、遂には盾が突破された。
(何故、突破された?)
クマガイの勢いは凄まじいものがある。
だが、気合いで何とかした訳でも、回転速度が速まったわけでもない。
対峙していたから分かる。
クマバズソー自体は何も変わっていなかったと。
しかし、突破力は上がっていた。
目に見えて上がっていた。
ならば、突破力の向上に繋がる何らかの要素があるはずだ。
となると、思い当たるものは一つしかない。
「そうか。 クマガイ、これはお前の」
回転しているクマガイの表情など、穴倉には分からない。
だが、ニヤリと笑われた様な気がした。
(やってくれる……!)
この瞬間、穴倉は全てを悟った。




