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驚異と脅威
穴倉は触手を再生し、盾を何度でも編成するが、とてつもない速さで寸断され、破片を吹き飛ばされる。
それは穴倉にとっては驚異であり、脅威でもある。
驚異なのは、クマガイの強さ。
穴倉は、基礎的な身体能力で遥かに上回っている。
だが、いざ戦うとクマガイは強敵で、今まさに肉薄しようとしている。
だが穴倉は退こうとはしない。
触手の盾を破られた時が真の勝負だと思っているからだ。
そして脅威なのはクマガイの勢い。
植え付けられた前世の記憶は、性格の形成に影響する。
とはいえ、それが戦いにまで影響するとは思いもしなかった。
クマガイは、前世の記憶の中では、冴えない奴で、しかし、些細なことで凄まじい瞬発力を見せ、怒り狂う性格だった。
しかし、常にアリスに返り討ちに遭い、何一つ成功したことがなかった。
だが今のクマガイは、俊敏で獰猛な獣。
そしてアリスは今、クマガイの前に立ちはだかっていない。
「クマバズソー!!」
そうクマガイが叫ぶと、バズソーの回転が更に早まった。
触手の盾は、簡単に切られてしまい、もはや盾として機能していない。




