2018/2233
私の責任
デシネは侵食を自らの意思で食い止める。
その瞬間、黒球の残滓が断末魔の悲鳴をあげ、かき消えたのをデシネはかんじた。
「……」
かつてデシネは、望んで黒球と繋がり、邪神となった。
その結果、力を得たが、少なからず黒球に意識を侵されていた。
「……」
そして、人を犠牲にし、巻き込んで、目的の為に突っ走った。
妻の為に、突っ走った。
「……」
しかし、人に戻った今、デシネは、自分の意思で自分であろうとしている。
人を犠牲にし、巻き込んで、邪神となって、目的の為に突っ走ったデシネ。
「私は、私の責任を取るべきなのです」
そう言って、デシネはゾミを眺める。
その視線に刺々しさはない。




