2014/2233
気持ちをぶつけ合えばいい
二人は邂逅を果たし、分かり合えた部分が確かにあったはずだった。
だが、改めて激突するのは、わだかまりがあるということに他ならない。
そう思うアリスは、穴倉とクマガイを見ながら、呆れ顔で大きなため息をつく。
「ハァー……」
その顔は脱力していて、呆れ顔ではある。
だがアリスは落胆していない。
二人の気持ちも分からないではないからだ。
「白黒つけるなら、それはそれでやったらええわ」
血の気が多いアリスには、戦う理由なんていくらでもある。
それこそ、気に食わないだけで、戦う理由としては充分だと思う性分なのだ。
だから、落胆はしていないし、脱力も呆れもしている様で、実際には二人の戦いに納得している。
むしろ、改めて一回激突した方がいいと思っている。
溜まっているものは吐き出せばいい。
気持ちをぶつけ合えばいい、と。




