2011/2233
無敵かこの野郎
だがクマガイにはその言葉は届かない。
距離があるからだと思ったアリスは念話を試みる。
『オイ! オッサンはやるなって!』
「!」
確かにアリスの声が届き、一瞬、クマガイの動きが止まった。
それを見たアリスは、安堵の息を吐こうとした。
だが、クマガイが止まったのは一瞬で、再び爪を振るう。
「オイオイオイオイオイ!」
距離は遠いが、アリスの鑑定スキルがクマガイを捉える。
アリスが見たのは、黒球の支配。
クマガイが操られ、デシネとゾミに襲いかかっている。
「黒いの倒したやろ!? 無敵かこの野郎!」
アリスの声が響いたと同時に、灼熱の熱線が突然空中に火を吹いた。
「混血熱線砲!!!!!」
そして何もない座標に、穴倉が現れる。
穴倉の熱線砲が、デシネ、ゾミ、クマガイをまとめて飲み込んだ。




