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2004/2233

いつもこうだ

 そんなゾミの思いは露知らず、デシネからすれば、離反したのはゾミだ。

 デシネの願いは〝愛する者の復活〟である。

 それはザハーク教団全体に波及し、教義と切り離せぬものとなっている。

 現在のザハーク教団が信奉する神は、人を不死者にする邪神。

 (すなわ)ち、デシネと一体になっていた黒球のことだ。

 長い間、黒球と一体化していたデシネ。

 お陰で、邪神である黒球が持つ情報をかなり得ている。

 その情報は、黒球が異世界からの来訪者であること、黒球の思惑、この世界の裏側、神の正体、魔王の伝承とアリスたちについてなど多岐に渡る。

 そして黒球と分離し正気となった今、妻を救ったアリスは敵にはなり得ないとデシネは思ったし、戦ったばかりの敵同士という恩讐を超えて仲間になろうとするアリスにある種魅せられて、同じ方向を向こうと思えた。

 そしてデシネは、ゾミも共に来てくれるものと信じた。

 ゾミは神の使徒として目覚めながら、異端のデシネを慕って、神を裏切ってくれたのだから。

 だから当然、今回も追従してくれるものと思っていた。

 しかし、そうはならなかった。


「いつもこうだ」

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