2003/2233
デシネを許せない
ゾミはデシネと結託していたが別離した。
それは憤りと嫉妬が原因といえた。
アリスは何も分かっていなさそうだ。
なのに短絡的に声をかけ、デシネを懐柔してしまった。
デシネもデシネだ。
アリスという成り上がりの女神もどきに従ってしまうとは、いくら何でもあんまりだ。
これはザハーク教団への裏切りだ。
そう思うと、陰鬱とした気持ちが際限なく湧き上がって来る。
というのも、昨日までのデシネは、妻を甦らせようと必死で、その為に半生を生きて来た。
その一途な行動は、ザハーク教団の信者たちと何も変わらなかった。
皆、大切な誰かの復活を目指している。
今もそうだ。
なのにデシネが、デシネだけが、願いを成就させて一番に抜けた。
そして、先程まで戦っていた相手と共闘してゾミに襲いかかって来ている。
ゾミはデシネを尊敬し、ついてきたつもりだ。
なのにデシネは離反した。
これはゾミにとって、ショックな出来事でしかない。
だからこそ、デシネを許せない。




