何が狙いなのだ
デシネは妻を一瞥する。
目が合うと妻はキョトンとした顔で、状況が飲み込めていない様だ。
目元と口元が少し緩んだ妻を見て、デシネの胸には込み上げるものがある。
(ありがたいことだ、本当に)
悲願であった妻の復活が、再動が、こんなにもあっさりと叶うとは、昨日まで、いや今日になっても思いもしなかった。
(しかし一体、何が狙いなのだ……?)
アリスを見据えるデシネは、目を引き絞る様に細めている。
デシネには、アリスの行動が理解出来ない。
とはいえ、無視することも出来ない。
敵対している相手だが、悲願を叶えられては、無下には出来ない。
デシネは妻の為ならばと、なりふり構わず、自分も他人も贄としてきたが、義のない男というわけでもない。
昔、ガインと対峙した際には、躊躇ないガインに対し迎え撃つことが出来なかった。
何故ならばデシネにとってガインは、束の間の邂逅であっても友であったからだ。
そんなデシネであるから、アリスに言われるまでもなく、恩義はかんじてしまっている。
だが、信に値する相手なのかという疑念が尽きない。
何しろ先程まで戦っていた相手なのだ。




