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宙に浮いた話の再開

 眼前にはアリスと穴倉がいる。

 そしてどうにも敵対の雰囲気。


「あばばばば」


 正気のクマガイ。

 急速に闘志が萎えて行くが、しかし、混濁した意識の中でも、アリスたちと対峙していたのは記憶にある。

 しかも、自分の意思でそうしていた様にかんじて、クマガイは愕然として、頭を抱えてしまう。


「俺は何をやってたんだよ、一体……」


 クマガイには、黒球の欠片に精神を侵食されていたという意識がなくなっている。

 故に、自らの意思で反逆者となっていたという気持ちしかなく、困惑の真っ只中にいるのだ。

 そんなクマガイの様子を見るアリスは、詳しくは分からないながら、どうやらクマガイが元のノリに切り替わったことは察知する。


「おめぇマジで何やってんだよ、マジで」


「えっ、いや、ごめん」


 謝るクマガイ。

 だがクマガイには、釈然としない気持ちが残る。

 クマガイは黒球から知らされた情報によって、自分やアリスたちが何者なのか知っていて、そしてどうやらアリスたちも、無知ではない。

 戦いによって宙に浮いたままの話を再開すべく、クマガイは口を開いた。

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