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今ある状況を省みさせるきっかけ
とはいえ今は対峙する相手。
敵といえる穴倉へ、好意など抱くべきではない。
黒球の欠片の影響で、そう思ったクマガイは体勢を立て直そうとする。
追撃の為に。
しかしその瞬間、何だか心にチリチリと、不穏な何かが芽生えた様な気持ちになった。
「!?」
それは違和感としてクマガイの胸に居座る。
飛び退いたクマガイは、バックステップのさ中、バク転を繰り出した。
「……ッ!」
隙だらけのクマガイ。
攻撃出来るだろうに、攻撃しない穴倉を訝しげに思いながら、充分に距離を取る。
そして穴倉を睨み付け、静止した。
クマガイは、肩に余計な力を入れていることを自覚しながら、何気なくクマガイを見続ける。
「……」
脱力を果たしている穴倉は、戦闘中にしてはとても穏やか。
その雰囲気が、クマガイに今ある状況を省みさせるきっかけとなった。




