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こういう扱い

 ───小汚(こぎたな)いクマ。

 その言葉が聞こえた時、クマガイの心と頭はカッと燃えた。

 どす黒い感情が爆発し、それが全身くまなく塗り潰す。

 その瞬間、クマガイの体は吸血鬼たちに向かって駆け出していた。


「殺す!」


 直情的に叫んだクマガイは、両手の爪を、憎しみで構える。

 風を噴出し、推進力としたクマガイは猛スピードで吸血鬼たちの首を狙う。

 その瞬間、クマガイの心に去来したのは、激情とは裏腹な、静かな落胆だった。


(やっぱりこういう……)


 その最中、走るクマガイの視界の端に、黒く染まった自分の体毛が映った。

 黒い体毛はつやつやしていて、綺麗だとクマガイは思えたが、吸血鬼たちはそこまでまじまじと今のクマガイを見ているわけではない。

 お陰で、普段のクマガイのイメージで物言ったのだろうと気付くクマガイは、不快感で息が乱れた。


(こういう扱いなんだよ、俺は!)


 普段のクマガイの体毛は、しらじらしい程の茶色で、ぬいぐるみ感を醸し出している。

 それはどうひいき目に見ても、綺麗な毛並みとは言い難く、まさに小汚(こぎたな)いと表現するのがしっくり来るものだった。

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