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混沌のレイン

「おい、ありゃアーマンダインのギルド長と、悪童じゃねえか?兄弟。」

盗賊は夜目がきく。遠くに見える宿の窓に、人の姿を捉えた盗賊ジャービルは、金髪で髭もじゃの錬金術師ゲドに声をかけた。

ゲドも彼らを視界に捉えようとする。錬金術師ではあるが、ゲドも多少の盗賊スキルを持っているので、ジャービルほど鮮明ではないが、食事をする面々を辛うじて視認出来はした。

「そうみてえだな、兄弟。レイン、挨拶ぐれえしとくか、ええ?」

ゲドが若いレインに声をかけ、ジャービルもレインの発言を待つ。

黒髪のジャービルは、まるで闇に溶けている様だ。

少し顔をしかめるジャービルは小さく息を吐いた。

ゲドは熟練の冒険者だが、甥っ子のレイン可愛さで、最近威厳がない。

兄弟分が甥っ子レインに気を遣うので、ジャービルも、自然とレインに気を遣わざるを得なかった。

叔父とその兄弟分の心知らず。

肝心のレインは無表情だ。

「ゲドさんが挨拶すると言うのなら、俺は異論ありません。」

冒険者としては大先輩であるゲドやジャービルを一瞥もせずに言い放つ。

レインは、極めて不遜だ。

気に入らないが、ジャービルは感情を心のうちに押し込めた。

ゲドが意気揚々と、レインに話しかける。

「よしレイン、おめえは会釈するだけでいい!俺に任せておけ!おめえをしっかり売り込んでやるからな!」

レインは成人して十年近く経つが、少し前まで王都から出たことがないお坊っちゃんで、ゲドに追従することしかしない。

だが、こと戦闘にかけては天才的だ。

Bランク冒険者のゲドとジャービルを相手にした模擬戦で、難なく二人を倒してしまうのだから。

レインは華麗で強い。

ゲドが惚れ込むのも甘やかすのも無理はなかった。

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