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ミラーの憂鬱

アーマンダインの神官ミラーが朝日を感じて目を開けると、ゴシック様式の天井壁画が目に飛び込んで来た。

もう朝だというのに、悪夢が覚めてくれないことに、朝一番の溜め息をつき、一旦目を瞑る。

そして目を開けると、跳ねる様に一気に体を起こした。

細面に剃髪のミラーは、ややもすると落ち着いた雰囲気に見られがちだが、実はそうでもない。

二十二ともなれば、成人して七年経つが、彼女は焦りも苛立ちも顔に出るタイプであった。

だが、ここで寝ているわけにはいかない。

許されるならばそうしていたいが、今はエオエルに報告に行くのが先だ。

急ぎ身支度を整えたミラーは、エオエルが宿泊する宿へと歩を進めた。


宿は程近い場所に取っていた為、さほど時間がかからない。

しかしそれは、今のミラーにとってはありがたくないことで、あの恰幅のいい紳士の取り乱す姿を目の当たりにし、なだめねばならない苦労を考えると、永遠に宿につかずにいられれば、どんなにかいいだろう、と、憂鬱な気持ちが首をもたげてくるのだった。

かくして、ミラーは瞬く間に宿についてしまい、入口の前で、この日二度目の溜め息をつくことになってしまったのだった。

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