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頼むから、ワンチャンやってくれないか

服部が影じゃなくなって、ゆるふわパーマの黒髪ミディアムボブの可愛いお姉さんになってるわ。

あぁ~、優しい顔に、どことなく服部の面影あるわ。

服部が大人になったら、こんな顔になる感あるわ。

ん?耳が尖ってるわ。

『シルキーはね…、家の人に見つからない様に家事をするメイドの妖精でーす…。あずみちゃん、何故か最近、お掃除したがってばっかりだったから、奉仕の心って称号来たでしょー…?シルキーはー…、そのせいで選択肢に入ったやつだよー…。特殊だから蘇生魔法とか使えるよー…。』

「元気出せオイ!声張れ声!」

『ごめーん…。だってあずみちゃんが、シルキーなんか選ぶからー…。』

「シルキー、ダメなんでござるか?」

「闇属性からは完全に外れるよー…。これまでの身体的な特性やスキルは受け継げるけど、補助魔法と回復ばっかりの後衛タイプになるよー…。素早い忍者的なのは、もう、諦めてねー…。」

「何それー!ワンチャン!ワンチャンほしいでござるー!拙者、飛影になりたい!飛影になりたいのー!」

見た目いい歳のメイド姿のお姉さんが駄々こねるの、ちょっとキツい様な、でもちょっと萌えるこの気持ち、何とも言えないわ。

意外とほっこりくるわ。

おっと、カプリスが溜め息ついてるわ。

『フー…、決定しちゃったからー…。もうひっくり返せないからー…。』

カプリス、明らかにテンションだだ下がりだわ。

「…オイ女神、お前何か企んでただろ。コレ絶対罠張ってたやつだろ。どうなんだよ。」

『はーい、お察しの通りでーす…。でもダメんなっちゃったー…。何で…?あずみちゃんってバカなの…?ううっ…。』

うわうわうわうわうわ、コイツ泣き出したわぁ。

うぅ~わぁ~、コイツ泣いとるわぁ~。

「なっ!?んぐぐう…、んんっ、ん~…失敬なあ…!拙者…、全然バカじゃないでござるよ…!な、なあ…!?」

服部まで泣き出した。

俺たちは全員、目を逸らした。

「ワンチャン!ワンチャンほしいでござる!ワンチャン!ワンチャンほしいのー!シルキーいーやーだー!」

服部が座り込んで大泣きだ。

俺たちはもう、顔を逸らすしか出来なかった。

カプリスが、俺にだけ念話を飛ばして来る。

『ううっ…。私ね、あずみちゃん何かヤダ…。』

勘弁してほしいわ…。

俺が当たり障りなく、まぁまぁ、となだめていたら、服部も、念話を飛ばして来たわ。

『アリス…、女神様ってさあ、ボンクラでござるよなあ?拙者、最初から、何かダメな女神だなって思ってたんでござるよ…。』

俺はもう、必死に双方を慰めたわ…!

お前らがどっちも泣いてて、こうして両方の板挟みにされる状態ときたら、本当、勘弁してほしいわ…!

無理だわ…!女子パワー全開の、謎の泣き場に居合わせるの、本当無理だわ…!

タシリモもガインも、念話の返事飛ばせないのもあって、どうにも俺だけに念話が集中する気がするこのかんじ、何かもう本当に嫌だわ…!

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