蕀の分裂
「話があるって?何だか二人とも怖いぜ?」
ベッドに腰かけているギルバーティが、わざとらしく肩を竦める。
アレックスは椅子に腰を下ろした。
クロキは室内に入ると、入口の横に立ったままだ。
「率直に言うぞ、ギルバーティ。俺たちは蕀を抜ける。」
アレックスの衝撃の一言に、ギルバーティの顔色が変わる。
「何だと?」
一瞬驚いたギルバーティは腕を組み、鼻から深く息を出しながら目を閉じる。
アレックスは、さらに続ける。
「俺たちはもう、お前にはついて行けない。お前はあれを逃がした。お前の行動は正義に反している。一度は了承したが、やはりあれは見過ごしてはおけない。」
魔王候補を見過ごすのは重罪だ。
「昼間のあれか?」
「そうだ。他に何がある?」
「…困るな。」
「それはお互い様だ。」
『…正直に中身を話そう。』
ギルバーティがクロキに念話を飛ばす。
しかしクロキはそれを拒絶し、言葉にする。
「念話は必要ない。小賢しい懐柔はやめろ。私はアレックスについて行く。」
ギルバーティの、この期に及んでの立ち回りにアレックスは不快感を覚えた。
と同時にクロキの発言を意気にもかんじる。
故に強い口調になった。
「勘違いするなよ、ギルバーティ。これは話し合いじゃない。俺たちにとっての決定事項を通達しているだけだ。」
室内に、緊張が走った。




