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スライムクイーン
だからこそ、わかり合えそうにない彼らに対して、怖い、という気持ちが先に来ていたのではあるが、いざ話してみると、彼らは彼らで私との距離感を掴みかねているらしく、その点では、近い気持ちを持って、お互いを思いやれるのではないか、と思い、それが彼らとの邂逅の糸口になる様な予感をもって、私の彼らへの恐怖というものは、小さくなっていった。
それが良かったのか悪かったのかについては、悪かったのではないか、という気持ちがあるにはあるが、果たしてどうなのだろうか。
というのも、今、私は彼らと共に、彼らの故郷であるガムドムルァの森へと向かっているのだが、私が森の動物たちへと敷いていた伝令システムや、情報の共有などのシステムを彼らにも敷いて、移動しながら練習していると、スライムクイーンという職になってしまったし、称号も女王、将軍、作戦参謀など、何やら多人数戦に良さそうなものを順次取得出来てしまい、彼らの目的に力を貸すという流れから外れることが出来ない雰囲気が出来上がっているからだ。




