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ロリコンのレッテル
───何という美貌だ。
振り向いた少女に、私は目を奪われた。
ぶどう水、ぶどう水と連呼する少女の背中に声をかけることが出来たのは、幸運だったかもしれない。
もし、少女がこちらを向いていたら、あまりの美貌に声などかけられなかっただろう。
胸が早鐘をうっている。まだ大人ではない少女のあどけなさの中にある、控えめながら圧倒的な妖艶さに魅了されている自分がわかる。
「君は美しいな。」
私は彼女に、これ以外に伝えられることがない、と思った。熱に浮かされた少年の様に、私は浮き足立っていた。
少女はメイド服に身を包み、その大きな瞳を、きれいな肌を夕陽に照らされて、この世のものとは思えない美しさを、一層美しく映えさせている。
そしてその可愛らしい口を動かした。
「出た出た、オイ!ロリコンやでコイツ、うっわキッショ…!ジジイがよ…!」
ジ、ジジイ?




