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俺たちの冒険はこれからだ!

 ここ3日、池中が色々試したり調べたりして、様々な情報をもたらしてくれた。

 どうやらこの森、街が近いらしい。だから度々、冒険者が森に入ってくるんだ、これが。


 冒険者にちょうだいちょうだい言いながらしがみついて、道具袋から菓子とかポーションとかかっぱらってやったわ。美少女は得だわ。男だった頃の俺ならぶん殴って搾取だったわ。お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの、俺とお前と大五郎だわ。大五郎も、冒険者ぶん殴って搾取しそうなキャラ感あるわ。……だから大五郎って誰なんだよ、一体。




 服部も、その隠密性を生かして、周囲の魔物を調べたりしてたみたいだったわ。影化して冒険者の影と同化して、街に行ったりもしたらしい。それ何てスパイアクション?完全に人間じゃないわ。


 街はファンタジーファンタジーした感じで、中世ヨーロッパ的なアレだったらしい。斥候として、連日、池中の情報獲得の一翼を担ってたら、念話ってスキルを手に入れたと。俺もやってみたら、案外簡単に取得出来たわ。ん?噂をすれば、服部から念話来たわ。


『こちらスネ●ク、大佐、聞こえるか?でござる』

『良好だス●ーク、ってやかましいわ!』


 ござるござるって、語尾であざとく個性出そうって魂胆がミエミエなの腹立つわ。

 俺も語尾が「わ」だって?俺はいいんだわ。俺だけは何やったって許されるわ。


「有栖川くーん、見て下さーい」


 高木が熟して地面に落ちて、種から芽が出て木になったわ。共食いリンガの実から、歩くリンガの木へと進化したわ。さらに歩くリンガの実になって、また熟して地面に落ちたわ。すかさず、俺がかっぱらってきたポーションをぶっかけてやったら、生命(いのち)のリンガの木になったわ。そんで生命のリンガの木から生命のリンガの実に進化して輝き出したわ。スキル品種改良とパッシブスキルまばゆい光をゲットしたらしいわ。ずっとピカピカ光ってて、夜のライトは高木にバトンタッチだわ。


 で、高木の芯についてる、枯れてない葉っぱを鑑定したら、レアアイテムの生命の葉ってやつになってたわ。何か金の匂いがぷんぷんするから、ちぎって売っ払ってみたいわ。


 いやぁ~、何だかんだで、うちの女性陣は有能だわ。俺も今や女性陣の一員だし、間違いないわ。泥島よかったな、ハーレムじゃん。……泥だんごって悲惨だわ。




 ……さて、この世界はどうやら、起きたこと、やったことがスキル化&称号化されて獲得出来るらしいわ。それが彼女たち、あと俺も成長させてくれてるわ。


 俺?どんな成長かって?まさに有能を絵に描いた様な有能さだわ。


 でも何故か〝クソガキ〟の称号を獲得したわ。心底いらねーわ。


 全く心当たりがねぇわ。


 んで、〝風使い〟というカッケー称号を手に入れたわ。


 風魔法でひたすら女冒険者のスカートをめくる、ただし薄皮1枚傷つけないという、最高に緻密な漢の技術をひたすら研鑽した結果獲得したわ。


「ち●こがなくなっても漢の夢を追い続けてる俺こそ夢追い人、夢狩人だわ」


『スキル、夢狩人を獲得しました☆』

 女神やかましいわ!


 泥島?泥島はひたすら転がってたわ。ただただゴロゴロしてたわ。あいつ役立たずだわ。これだから男ってダメだわ。漢の俺とは根本的な資質が違うわ。いつかどっかにこっそり捨てていってやるわ。泥島詰んでるわ。




「みんな、聞いてほしいことがあるのよ。 とんでもないことがわかったわ」

 疑似声帯スキルのLVが上がって、普通に喋れる様になった池中が、何か発表するみたいだわ。


「色々調べてみた結果、ひとつの結論に達したわ」

 勿体つけずにさっさと言ってほしいわ。落ち着いた時のこいつは結構頼りになるから助かるし、信頼もしてるわ。


「有栖川を除いて、私たちは最高に弱い。 そして、食べるものはもう、有栖川が冒険者からかすめ取った、ビスケット的な糧食しかないのよ」

 それは死活問題だわ。って、かすめ取ったってやめてほしいわ。あれは俺の可愛さで得た、正当な報酬だわ。それを分け与えてやってる俺、つくづく中身まで美少女だわ。フォア・ザ・チームの精神が凄いわ。一生恩に着せてやるわ。


「よって、私は提案するわ! 唯一強い有栖川におんぶにだっこで、冒険の旅に出ることを!」

 こいつ、しれっと寄生宣言したわ。そんなもん、冗談じゃねぇわ。ひくわ。こいつまじひくわ。俺はこれまでもこれからも、俺だけの為に生きるわ。信じられるのは、俺だけだわ。いやぁ、こんな奴ら知らんわ。足手まといども、のたれ死ぬがいいわ。ゴミが!

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