葬送
あなたのために持ち合わせた美しい感情が
ずるり、
と
腐り堕ちていく
甘美な芳香が激臭に変わり果て
内から溢れてこびりつく
消えない
消せない
洗っても
洗っても
洗っても
消えない
消せない
肌へ染み入り
写し始める
あなたのかおを
曖昧に
優柔に
目を閉じて
見つめているのは
声音
風の色
あなたに向けた鮮やかな感情は
えぐりとって
火をかけて
灰にして
流す
いま
ほら
そう
決意は
な
い
風が吹いている
握りしめた手のひらのなかで
燻りながら
指の隙間を
こぼれていく