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『空白の1分間』

『綾希子ちゃ~ん! おまたせぇ~!』


『あっ、シオンちゃん! …!!!』


と同時に綾希子は上を見上げた。

そこにいた工事作業員が叫び声をあげる。


『危ない!』


(ダメだ!シオンちゃん! …)


綾希子は手を振りシオンに合図を送るが

シオンは気づかず駆け寄ってくる。


(シオンちゃんダメ!来ちゃダメだ…って

間に合わないよね!…仕方がない、とりあえず…)


『キャ~ッ』


綾希子は悲鳴をあげシオンを一瞬立ち止まらせると

目を閉じて精神を集中し唱える。


『…神眼(しんがん)!』


綾希子の瞳が金色に輝くと綾希子の目の前は

ビデオのスロー再生の様にユックリと動きだす。


『先ずは鉄パイプを…』


綾希子は一瞬にして7メートル近くジャンプし

次々と鉄パイプを蹴り1ヶ所にまとめてしまう。


『次はシオンちゃんを…えっ?』


綾希子がシオンのいた場所を見直すと、

そこから数メートル離れた場所に

シオンが移動していた。

しかも顔が一瞬ブレて見えた。


『…えっ?、あれっ?… あっ!』


それはコンマ数秒の出来事だったので

綾希子は気のせいかと思い、もう一度見直すと

シオンはうつ向き陶器の様に固まっていた。


『良かった、間に合った…

けどシオンちゃんの場所がズレたのは…

それに顔がブレて見えた時のあの

青白い光はなんだったんだろう…?

先生に報告して聞くしかないか!』


綾希子はシオンをおぶって走り出し

向かった先はシオンの実家であった。

シオンの部屋へ行きベッドに寝かせると


『シオンちゃん、コンサートごめんね。

せっかくの楽しみを…次は必ず行こうね…』


と、綾希子はシオンに言い残し、

シオンの頭を撫でると静かに道場へと姿を消した。


シオンと綾希子が待ち合わせ場所で出会ってから

たった1分間の出来事であった。




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