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恋愛中毒  作者: みかち
3/9

東京の彼。2話目。告白。

それから間もなくして、私達は一緒に住み始める事になる。



私が誘ったのだ。一緒に住むことではなく、家に遊びに来ないかと誘ったのだ。






彼はその日、パンクバンドのライブがあって、渋谷にいた。



「汗をかいて、シャツがぬれて気持ち悪いから」と、言い訳をしていた。



私は、「お風呂を沸かして待っているね」と言い、1時間もしないうちに彼はやってきた。



さっぱりしたような彼の顔を今でも覚えている。



ライブで疲れたのと、ライブのあとのハイテンション。



私にも覚えがあったので、見ていて私も楽しい気持ちになった。







彼は私の家の風呂に入り、私は彼の着ているものを洗濯機にいれ、洗ってあげた。



彼には、着替えを持ってきてねと、伝えてあったからだ。



お風呂から上がった彼は、ビールを飲み、くつろいでいる様子だった。



波長が合ったのだ。



お互いが出すオーラと言うか、雰囲気が、まだ、そんなに親しくなかった私達の間をうめていた。



話をしないでいても、お互い黙ったままでも、気詰まりな感じじゃなかった。







その夜私の布団を半分貸してあげた。



文字通り半分貸すのであって、それ以下でも、それ以上でもなかった。







彼の持ってくる荷物は日に日に増えていった。



Tシャツ、ズボン、靴、スケートボード。



ありとあらゆるものを持ってきた。



アルバイト先の品川から、私のマンションがある川崎までは、駅1つだったからだ。



毎日学校も一緒に通い、アルバイトにも通った。



圧倒的に楽しかった。



彼が自分の住んでいる清瀬に帰ってしまうと、次の日の朝には私が清瀬に駆けつけた。



電車を乗り継ぎ、朝早く、始発ぐらいの勢いで。








付き合う前にする、おおよそのことをしたと思う。



お互いの考えを話し、分かり合おうとした。



いろいろなところに出かけ、食事をした。



一緒に料理を作り、「マズイ」と言いながら食べたりもした。



若かったころの、有り余るほどのエネルギーを全部お互いのために注いでいた。



お互いのことしか考えられなかった。



毎日会い、ほとんど毎日一緒に寝た。



毎日一緒でも不思議と飽きることなく、嫌になることは無かった。







私から言ったんだと思う。彼は、きっとそんなこと言えないって、なんだかすぐにピンときた。



「付き合ってあげてもいいよ」



若かった。かなり若かった。



周りから見れば、すでに付き合っているのも同じだったが、とりあえず言ってみた。



答えは無かったが、ぎゅっと抱きしめられたのを覚えている。





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