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恋愛中毒  作者: みかち
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東京の彼。出だしのとこ。

東京に出た私は、専門学校に通っていた。



音楽系の専門学校で、音響科のクラスに通っていた。



ライブハウス、コンサートなどで、スピーカーをいじったり、セッティングしたり。



高校生の時、周りがバンドマンが多かったせいもあり、私は、そういった類のものが好きだった。



実際のものに触れ、大きな音の世界で毎日を過ごしていた。







住んでいたのは練馬区で、高校の時の同級生と同じ寮に暮らしていた。



圧倒的に自由だった。門限はあったが、遅く帰っても怒られず、自由に暮らしていた。



アルバイトも始めて、東京の暮らしにだんだんと慣れていった。








宅急便の荷物の仕分けと言う、少し地味だが適度に体を動かせる仕事をしていた。



毎日5時間程度、品川で働いていた。バスでの送り迎えがあり、駅から少し離れた勤務地であったが、苦にはならなかった。



そんな生活がしばらく続いた。学校、バイト、寮。








同じクラスに少し暗く、背の高い、色白の男の子がいた。



後に私の彼氏になり、6年もの長い時間を一緒に過ごす事になる。







彼は、北海道の出身だった。同じ雪国。私は、好感を持った。



同じクラスに、カッコいい人なんていなかった。



私も、可愛い方ではないが、3人いた女の子の中では、一番可愛かった。後に彼が言っていた。



彼は、4人いた男の子の中で、垢抜けてはいなかったが、一番可愛い顔をしていた。








手始めに、私は彼とたくさん話そうと決めた。



彼は、高校生の時から一人暮らしをしていて、あっぱれなことに、アルバイトを一度もしたことが無いのだそうだ。



衝撃だった。恵まれた人なんだなぁと勝手に思った。うらやましいぐらいだった。








彼を、自分のアルバイト先の短期のアルバイトに誘ってみた。



人手が足りなかったのと、自給が良かった。だから、きっと彼も乗ってくるはずだと、勝手に決め付けていた。



案の定彼はやってみると言い、もう一人友達まで連れてきてくれた。



彼は、だるいと言いながらも、結構真面目に働いていた。








私は、そのバイト先で、結構力のある場所にいたし、おじさんのアルバイトの人たちを、怒鳴りつけて仕事をしていた。



準社員だった。きちんと緑とベージュの制服を着て、勇ましい女の子だったのだ。



そんな私の姿を見て、彼はすごいと言い、学校と全然違うと言った。



あの頃は、実際なんでも理由無くがんばれたのだ。お金のためももちろんあったけど、仕事自体楽しかった。








彼と私は、しだいに行動を共にするようになった。



一緒にご飯を食べに行ったり、一緒にアルバイト先に出勤するようになった。



一緒に学校にも行くようになり、クラスのみんなに冷やかされることもあった。



彼は、はずかしがり屋さんだったので、少し嫌がったが、私は、ちっとも嫌ではなかった。







あまりにも昔のことなので、季節感が全く思い出せない。



晴れていたのか、雨が降っていたのか。暑かったのか、寒かったのか。



10年も前のことなのだ。



こんなにもはっきりと当時のことを思い出せるのに、彼はもういない。




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