43:行方知れずの半身 3-1
短過ぎるのでもうちょい書きます。
25時までには書けるかと。
追記 無理でした。
コロンセント王の住まう城、名前は知らない。
僕はシャステーレを抱えてその上空を飛んでいた。
城門の近くには何人か警備が居るようだったが、空を警戒している者は居ないようでこのまま城内に潜入できそうだ。
「なるほど、空から来る敵を想定して警備を置いているような城なんてないもんね」
「そうだな」
シャステーレを抱えたままベランダへと降りる。
ベランダから城内に入ろうとしたところ掃き出し窓に鍵がかかっているようで開かなかった。
「壊すか」
「まぁ、ちょっと待ってね」
窓を数回ノックする。
「何をしている?」
「多分上手くいくと思うよ?」
何回かノックして待っていると、誰かが近付いてくる足音が聞こえた。
「ふむ、ここを開けさせて中に入るのか。……それなら壊して入るのと変わらないだろう」
「まあまあちょっと待っててね」
「……どなたか、いらっしゃるのですか?」
向こうから見えないところに隠れ、ノックを続ける。
不安そうな顔で窓を開けた使用人に触れ、その意識を眠らせる。
「さ、行こっか」
「器用だな」
開いた掃き出し窓から中に入り、眠らせた使用人を壁にもたれるようにして座らせた。
当然だが、騒がしい町中とは打って変わって静かな城内を慎重に歩いていく。
「止まれ」
シャステーレに指示されて柱の影に隠れる。通路の向こうから使用人と思わしき二人が歩いてきた。
「コロンセント様、何だか機嫌が良さそうでしたね」
「え、そうでしたか?私にはいつも通りに見えたのですが」
使用人たちの話し声が聞こえる。コロンセントの機嫌が良かった?ティルシーを連れ去ったからだろうか。
シャステーレと目を合わせて頷き合う。何かが伝わったらしい。
シャステーレは柱の影から飛び出すと使用人二人を気絶させた。
「んっ?!」
何故気絶させた?
「先を急ぐぞ」
「あ、いや、うん、ちょっと待ってね」
流石にただ気絶させただけというのはどうだろうかと考えていたところ、いい案が頭に浮かんだ。慣れないことをするので安全性は薄いが、何かあったときには撤退を視野に入れて治療に励もう。
気絶させられた使用人たちに近付き、その頭に触れて記憶を盗み見る。
コロンセントの寝室、執務室の場所など城内のことについて色々と知ることができた。
「シャステーレさん、このお城の大体の構造が分かったんだけど、どこに行こうか?」
「ここの王を殴りに行く」
「そうなると、執務室かな」
手に入れた情報を元に城内を動き回る。
何度か使用人にバレそうになったが僕が眠らせたり記憶を弄ったり、シャステーレが気絶させたりで事なきを得た。
いや、むしろ気絶や眠っている使用人を見つけることで騒ぎが起こるかも知れない。早く済ませたほうがいいだろう。