20:日常のような悪夢
夢を見る。
誰も彼もが私を否定する。生きているということを拒絶される。彼らにとって他人というものはそんなに気になるものだろうか?
いや、違う。他人ではない、忌むべきものなのだ。最初から気にかける気にかけないの選択肢にすら入らない。
出ていけ出ていけでていけ。
一体どこに出ていくのだろうか?この村に逃げ場などないだろう。
そんな醜い彼らはそこにあることが不快だ。消えてなくなればいいと思う。
消えてなくなったんだったか。
目を開くと凍った天井があった。氷が溶けると床を濡らす。
私は天井を睨んでから起き上がった。
最近はどんな夢だったのかを覚えていることが多くなった。何を見たのか覚えていることからか、気分は最低最悪のものから、雨に濡れるくらいの不快さになった。
慣れというものは恐ろしい。初めはその扱いに疑問を抱いていたというのに、自然とそういうものだと納得してしまう。
悪辣なる人間たちの中に自分が含まれているのを見た。
自分とは全く関係のない視点から自分の醜い姿を見せられるというのは、単純に気味が悪い。
当時の自分にとっては全く疑問にも思わなかった行為もこちらから見れば不快だ。
こうして、私の価値観というものは誰かの価値観とごちゃまぜになっていっている。
その歪な考えが私に馴染めば馴染むほど、眠りは快適なものへ、安らかなものへと変わっていった。
けれど、そこで眠る私は本当に私だと言えるのだろうか?
凍りついた我が家を見て、どうしてこんなことを?と思ってしまうような私は果たして私だと言えるのだろうか。
感想とか、頂けたら……嬉しいです。