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2020 5/16 公約破り即全力。意志が弱い

5/13 国民4,115人。

少数の探索部隊で順調に資金と人員を獲得していく。 微増だがこのまま続くと嬉しい。


この世界は理不尽である。順調に資金や資源を獲得しても一気に失うことがある。

これからそのことを説明しようと思う。

この世界には怪物(モンスター)と呼ばれる化け物共がいる。強さはピンキリだがどれも総じて人類より強い。

種族は大まかにナメクジ族、獣族、悪魔族、死神族だ。弱い順から順番に説明していく。



ナメクジ族…基本どこにでもいる雑魚種族、が、急に群れたり増殖したりするので注意。 また、(ウェーブ)を引き起こす引き金となる最初の種族。 侮るとやられる。


獣族…基本群れで行動する。 もちろん人間より強い。いきなり襲い掛かってきたかと思うと、さっと撤退する頭の良さも併せ持つ。 型にはめれば倒せないこともないが、相手もそれを周知しており逆手に取る狡猾さもあり深追いは注意。


悪魔族…神託のお知らせにより現れる時間が大体わかる。 ほとんどがゲートから顕現するが現れる際の魔界の瘴気により心の弱いものは命を落とす。 波によるゲート解放時は悪魔族

が元気なため待ち伏せて襲うのは危険で無謀。群が撤退の兆候を見せた時に戦うのが基本。それでも返り討ちにあうことが多い。 基本スルーが望ましい相手。


死神族…極々少数な上、まれにしか現れない。激レアな存在。倒すと億の富が貰え、次に出現するまで人類が繁栄すると言われている。出現は1年~2年に1回現れる程度。ものすごく強く、攻撃による呪いが発動すると国が亡ぶといわれるほど極悪。攻撃を受けたものを特定し隔離しなければウィルス感染のように次々と死に至らしめる。また、討伐してもそれが幻影だったという報告が多数ありリスクしかない危険な敵。未曽有の大不況や超好景気に出現しやすいとうわさされる。




5/14 今日も探索部隊で人口増を狙う。しかし世の中そう甘くはない。ナメクジ族が現れた。

ナメクジ族、こいつらは大したことない。糞雑魚ナメクジだ。探索部隊でも容易にあしらえる連中だ。がしかし、数は多い。 一匹いたら百匹いると思えだ。

ナメクジ族が現れたら波の兆候が出始める。波がいつ起こるか分からないが遅いと1日罹る場合すらある。

俺はまだ危険ではないと判断し第二、第三探索隊を次々と投入していく。


予想通り討伐と資源の調達をこなしていく。


ここで探索隊が少し遠くまで行きすぎたかな? と思った。思ってしまった時には既に遅かった。

第一捜索隊のそばには奴らがいつの間にか居た。獣族だ。波だ波がいつの間にか起こっていたのだ。俺は急いで撤退の命令を下す。

が時すでにお寿司。第二第三は命からがら逃げだせたが第一は全滅。


人口4,110人。


二度と失わないと決めた民を一瞬にして失ってしまった。

少し冷静になれず討伐隊を編成、すぐに向かわせる。

これがやってはいけない行動だった。無策、無謀。何も考えずに只々突っ込んだだけ。

無残に命を散らす。どうやら糞雑魚ナメクジは俺だったようだ……


人口3,950人


獣族は強かった。何も考えずに突っ込んだ結果、敵に引き寄せられ返り討ちにあってしまった。

俺は急いで領地へ撤退を促す。

この日の結果は惨敗。みじめな醜態をさらしただけだった。

ただただ民には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

が、俺に火が宿る。


復讐とか仕返しとかの醜い炎だ。

行動には理由が必要だ。あいつらを返り討ちにしてやる。



5/15 今日は領地付近から敵の観察をすることにする。 現在ナメクジ族と獣族の二種類存在していた。ここまではいたって普通。

自然界のバランスが取れてると言ってもいいぐらいだ。 この状態で獣族をナメクジ族を人類が相手するのはきつい。 追い払えても人口が減少するのは目に見えている。

もう少し観察することにする。 観察してみるとどうやら獣族はナメクジ族も狩りの対象らしい。どうやら人類だけじゃないようだ。

獣族がいるのに繁殖力旺盛なナメクジ族がここを立ち退かない理由はなんだ? 何かあると踏んでナメクジ族を観察する。

疎らに居る所と少し多いところ、かなり多いところと別れている。区域を円にして区切ってみた、サークルの中にやたら居ることが分かった、どうやらこのサークル状の中心に何かいるらしい。


俺はこの中心を叩けばナメクジ族を討伐できると判断し、部隊を向かわせる。

中心に近づくにつれ討ち死にが増える。ここで何もなければ即撤退の被害だけが残ってしまう、などと考えていると元凶がいた。やはり原因はあったのだ。 女王ナメクジだ。

こいつを倒せばナメクジ族は瓦解するはずだ。

女王ナメクジにはほとんど攻撃力はない、が必ずナメクジ親衛隊がいる。 繁殖力は旺盛なので見つかっても卵を産み続けている。

早く討伐しないといけないが、親衛隊がじゃまだ。


俺は即命令を下す、突撃だ。数の暴力で親衛隊を蹴散らした。

ナメクジ族は基本金や資源にはならないが、女王と親衛隊は別だ。

民の繁栄へとささげることにする。


3,950→3,900→3,870→3,920


ナメクジ族は蜘蛛の子を散らすように逃げ始めている。ここからいなくなるのも時間の問題だ。

あと少しで波もおさまるだろう。

が、しかしナメクジ族討伐にこれだけ被害が出るのは想定外だった。


まだ民は全然回復していない。

俺は獣族の討伐を決意する。


が、しかし相手は獣族。先日苦汁をなめた相手だ。

俺は討伐隊に指示を出し、ナメクジ族の捕獲を促す。討伐隊はサークルの中心に居たため比較的簡単に十数体を捕獲。

待機命令を下す。

そう、俺の策とは捕まえて待機。たったこれだけ、あとは時間が解決する。

前回は無謀に突っ込んで手痛い打撃を受けた。

今回はいったんさざ波がおさまるのを待つ。

時が来た、討伐隊に獣族が目を向けた、それに乗じてナメクジ族を一斉に放流した。


獣族は我先にとナメクジ族にと群がった。

討伐隊を無視である。前回壊滅させた相手で自身の驕りとナメプをやってるんだろう。

実際俺は討伐部隊に震えておけと命令している。

獣族にはさぞかし怯えているように移っていることだろう。

でも違う、これは武者震いだ。貴様らをけちょんけちょんに潰すためのな


油断しきっている奴らの背に突貫命令を下す。死地まで追い詰めろってことだ。

不意を突かれた獣族は数体倒されるが、臨戦態勢を整える。さすが獣族だ。が関係ない。

全軍突貫! 俺は即、次の命令を下した。攻撃対象は獣族のみ。ナメクジ族には目もくれるな。


自国領域から一斉に見方が湧きだし、攻撃を開始した。

これがみごと挟撃の形となり獣族を追い込んでいく、いつもならここで領地へと引き返す俺だが目には復讐の炎が灯っており追撃を決意する。

奴らをとことんまで追い詰めるのだ。

総攻撃を十数分続けた結果約800体もの討伐に成功、そこで全力をやめ半数は領地へ、残りで攻撃を続行した。

ここである兆候が表れ始める、集中したときに分かるというか勘が働く。

獣族が何かを狙ってるのだ。ジリ貧に見せかけて誘導している。

圧倒的勝勢、ここで引くのは馬鹿と言われるかもしれないが、俺は即、撤退と領地照射の命令を下す。

三十六計逃げるに如かずだ。 勝っているのに逃げるとはこれ如何にって感じだが、が、

勘は当たった。



 ”ウォーーーッ”と背中から雄たけび声が聞こえる。そして間髪入れず怒号の地鳴りが響き渡った。


そう、追い詰めていたつもりがいつの間にか追い詰められていたのだ。危うくコ型の陣形の中に飛び込むところだった。


やつらは策を見破られたのがよほど悔しいのか怒り狂って追いかけてくる。

敵は領地に入ることができないが、こちらは領地付近なら一方的に攻撃を仕掛けることができる。

ほぼ無傷で全軍を領地に戻すと弓の嵐を獣族に叩き込んでやった。

ここでも二百数体の獣族を討伐することに成功。


数時間立つと獣族もあきらめたのか波が去っていった。

討伐された死体は、怪物の共食いや埋葬の習慣が無いためあとで資源として回収できる。


差し引きで人口 4,211


結果、勝利はおさめたが醜い争いだった。

今回は運よく勝利を収めることができたが次はどうなるか分からない

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