第1話:〈1章〉
ー『聖光雨』から10年後
「これより聖徒会を始める。」
ここは東京にある日本第一魔法軍事基地、通称「人類の前進」。日本全国の『魔法師』が通う『桔梗魔法学校』に隣接しており、日本が他国との戦争をする上での拠点にもなる。
その基地の所長であり、日本の『魔法師』全員の総統でもある男、東郷健二のひとことでそれまでざわついていた空気が一瞬にして静まり返る。
そもそも聖徒会とは、桔梗魔法学校の生徒の『聖魔力』の強さを始め、体力、速さ、精神力、頭脳、そして戦いでの活躍度などを含めた総合の戦闘能力『Fight Score』の高い順に決められた序列の上位20人(『皇族』と呼ばれている)だけが参加できるものだ。よって全員かなりの強者たちなのだが、東郷には逆らえないようだ。
週に一回行われるこの聖徒会はたいてい1時間程度かかるものなどだが、ここ3週間
全く戦争がなく話す内容もないので、30分ほどで終わった。
「お疲れさま〜 序列4位ともなるといつも忙しいんだねぇ 碧海。」
朝っぱらから嫌味まじりの挨拶をしてくる。見た目も全体的にチャラい。
桔梗魔法学校高等部1年E組所属 《序列1143位》榊原翔。
俺の親友であり、外見からは予測できないが、『魔法師』が『聖魔力』を流し込むことによって魔法を発動することができる道具『接続機』の修理・改良を行ってくれている。
「えっっ!? 『皇族』ってそんなに忙しいの?」
こいつは俺の幼馴染の南結愛。こんなこと言ってるが《序列17位》の立派な『皇族』。
桔梗魔法学校高等部1年B組所属。『皇族』は一人一人二つ名を持っているが、結愛の場合《治癒の女神》なんて呼ばれている。
「お前だって『皇族』の一員だぞ。ちゃんと自覚持っとけよ。」
俺はそう言って結愛にデコピンを食らわせる。結愛は可愛らしく頬を膨らませると
「わかってるもん。」
と言ってそっぽを向いてしまった。
すると翔が
「お〜お〜 ふられちまったなぁ。」
......1発殴った。
そして俺は結愛と同じく桔梗魔法学校高等部1年B組所属 《序列4位》二つ名は《一光千斬》
俺たち三人は1時間目に間に合うようそれぞれの教室を目指していた途中、
「米国軍隊、軍事基地を出発 日本方面へ進行中 全員直ちに戦闘準備」
けたたましいサイレンとともに、俺たちの戦争開始を告げる放送が、鳴った。




