8話〜完全に捕まってしまった!?〜
「はぁ...、はぁ...」
今部屋を埋め尽くす音は息切れの音だけだった。
「お前、いつの間にこいつらと知り合ったんだ?息も合ってし」
「い、いや、そんな訳ないですよ。ただただ同じ意見だったってだけですよ」
私と兵士達は、大きな声でオスカーを驚きと怒りのまましかった。
なんとも言えない共感を得た私は一瞬だけ信頼を貰えた。
でも、それだけだった。
「君達を国家反逆罪で再拘束する」
今までの縄が金属製に変わり私達は地下の牢獄に連れてかれた。
牢獄内はとても暗く、一つだけ地上と繋がっている小さな穴だけが明かりの代わりだった。
床は冷たく、ベットは二人で一つだった。
装備のナイフから靴に至るまで全て奪われた。
「もぉ〜!どうするんですか隊長!私達犯罪者ですよ!」
私はその場に膝をつき、座り込んだ。
「私は...こんな事をする為に研究室に来た訳じゃないのに...」
彼はずっと壁に寄りかかり座っていた。
「隊長、何か言って下さいよ」
「......」
無言で俯いている彼を横目に私は牢獄の端っこにある、宿の数倍も硬いベットに横になった。
一つため息をつくと私は目をつぶりこの危機を脱する方法を考えてみた。
「...これは、私がやらなきゃだめなんだ...」
そう小声で呟いた。
---数時間後
「あう...何も浮かばなかっ...た」
昼と夜に兵士の持ってきた食べ物も食べずにいたら、気付けば真っ暗な真夜中になっていた。
真っ暗と言っても、少し月の光と星の輝きが壁の小窓から入ってきていたので何も見えない訳ではなかった。
目障りになってしまった明かりに背を向け、暗闇の中で目を閉じた。
すると、私の毛布の中に何かが〈もぞもぞ〉と入ってきた。
「すまなかったな」
私は心の中で“今頃来ても遅い!”と叫んだが、当然彼も分かるはずはない為彼は一方的に話を進めた。
「種は蒔いた。それを国がどう受け取るか...」
彼は少し考えていた。
「...だから、もう少しだけ待ってて欲しい」
何故まだ待たなければならないのか私は逆に謎が多くなった。
それだけ言い残すと彼は毛布から出ていった。
その言葉を聞いても安心出来なかった私は体を丸めて考えた。
しかし、結局何も浮かばず寝落ちした。
こんにちは最近朝が起きられなくなってきた深沼バルキです。
まさかの主人公の牢獄行きの回でした。
オスカー君の言う種とは何なのか考えながら次回読んでください。
ここまで読んでくださりありがとうございます。