7話〜初めて人と戦ってみた!〜
「着いたぞ」
その声で立ち止まると目の前には大きな門が建っていた。
「どこですか......ここ...」
するとオスカーはニヤリとした。
「ワークワード城前だ」
「城...ですか」
城と言っても、貴族や王族が住んでいる城ではなく兵士や武器などが貯蔵、保管されている城らしい。
‘らしい’というのは、さっき彼が短めに補足を入れたからだ。
「今日の仕事はこの城の占領だ!」
「はい...って、この大きい城を二人で?」
「ああ、もし失敗したら多分牢獄行きだろうから。まぁ頑張れ」
「え〜〜!」
それだけ言うと彼は何処からともなく短めの槍を握った。
「じゃあ行くぞ!作戦開始だ!」
「しょうがないですね!」
武器を構えてオスカーと人格変化した私達は正面突破で奇襲をかけた。
---作戦開始数分後
〈ギギギ...〉
「正門破壊。クリア!」
「思ったより警備は薄いですね隊長〜!」
「作戦に集中しろ!」
「は〜い」
---作戦開始数十分後
「武器庫クリア!」
「この世界、大砲はあるのに銃とかはないんですね」
「すぐ、次にいくぞ!」
---作戦開始一時間半後
「監視塔クリア!残すは兵舎だけだな」
「本当にこの城大きいですね」
「......」
---作戦開始二時間後
「......で、この城に男女二人で何をしに来たんだ?まさかこんな鉄臭いところにデートでもしに来たのか?」
「いやそれはない」
「私はそれでもいいんですけどねー」
結論から言うと結局私達は捕まり、椅子に縄で拘束された。
残り一箇所に絞ってしまった事で兵が集中してしまったというわけだった。
「じゃあ何しに来たんだ?」
何故結果の分かりきっている作戦を立てたのか知らない私はずっと黙っていた。
するとオスカーが喋り出した。
「あることを要求しにきただけだ」
「それは?」
「俺達の要求はたった一つだけ、この国を俺に渡してもらうこと。それだけだ」
二秒くらいだろうか。
部屋は驚きと、憎悪で静まり返っていた。
唯一聞こえた音と言えば、二秒後に聞こえたオスカーの「フッ」という軽い笑いだけだった。
その後、皆が想像する通りの事が起こった。
こんにちは深沼バルキです。
この回の構成を考えるのに数時間かかりました。
城攻めの戦闘を入れるか入れないか、そこが一番悩みました。
書いてはみたんですけどね...。
ここまで読んでくださりありがとうございます。