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余談2 道化師と〝Eランク〟



「んーーフフフ。お元気そうですねぇ」

「……」


 その窓からの光の中で、僕は思いっきり顔をしかめた。


 …………ふつう、来客にするような顔じゃないのだが。


 こればっかりは、仕方ない。

 今目の前で花束を片手に持ち、燦々と降りそそぐ《剣島都市サルヴァス》の湖からの青い風に――垂れ下がった前髪の房を揺らすのは、片目を閉じてウィンクをする道化師姿の来訪者なのである。

 腰には、使い込まれた《双剣》。


 サルヴァスの教師―――ゲドウィーズという人物は、そんな男なのか女なのかも曖昧な笑み(……実際は、女性らしいのだが)を浮かべて、僕の治癒する一室を見舞うのだった。



「…………お見舞い、どうも。」

「と言ってぇ、全然嬉しそうじゃ、あーりませんねえ。まあ、一昨日の、さらに一昨日からの今日。〝君〟がそんな顔になるのも、無理はありませんけどねぇ」


 花束をくるくるとさせ、パッと宙に投げるとさらに花が咲いた。

 …………道化師は格好だけじゃなく、本当にそれっぽいことするのか、この教師。


 僕は今まで関わってこなかった人物なだけに、その所作の一つ一つが、目に新鮮だった。……だけど、決して歓迎できるものではないのだが。


「他の冒険者の〝安全〟――それだけが、今の僕は聞きたい」

「ん~~。なるほど、なるほどぉ。君の最初の欲求は、それですか。なぁるう~聞きていた通りの人物ですねえ。ええ、聞いていたとおりでしたとも! これは『ゲドウィーズ・メモ』に書いておかねば。ええ。書き連ねておきませんと!」


「……な、なんなんですか、一体」

「生徒たちの身は―――ひとまず、全て安全ですよ」


 と。この《昇格試験》に関わり。

 数多の災難と、突発的な悲劇が数多く起きてしまった―――その〝冒険〟を、この道化師の教師は振り返る。


「生徒たちの身の安全は、確保しました。

 ―――これは、《剣島都市サルヴァス》の執行委員会―――いわゆる、上層部の運営から命じられている、『最低限の、試験を執り行うこと』という原則に則っています。……、まぁ。堅い話をヌキにしたらぁー、〝教師として、きちんと安全を守ってネ〟ってーことですねー」



「……」

「でも~。〝君〟のそーんな不審な目を見ると、《剣島都市サルヴァス》の生徒たちの私に抱いている〝イメージ〟というものが、おおよそ分かりますよ。ええ、分かりますとも。私だって、これで色々恨まれてますからねえ。人生」


 ゲドウィーズはヒラヒラと道化師服の裾を揺らしながら、病室を飛び回る。



 ……生徒たちの、安全を確保した。

 この教師はそう言った。


 途中、帰還へと足を向けた冒険者たちについては――教師としての誇りをもって、絶対に無事に、〝剣士〟として島へ送り届けたという。途中の村で、人を遣わし。さらに周辺の地域から《馬車》を大いに集め、それから負傷者を順次、サルヴァスの島へと送ったらしい。


 ――僕が乗った馬車も、そんな中の一つだ。


「……だけど。それでも……散っていった冒険者たちがいた」


「……ええ。その埋め合わせは、考えてあります。彼ら冒険者のためにも、これから、この島でこのゲドウィーズが何を出来るか。考えていきますよ」


 ――昇格試験の『戦い』だけは、傍観しなければならなかった。


 ゲドウィーズ教師は、そういった。

 なるだけ、《教師側》が干渉しないように。〝監視の目〟であるべきだった。それが監督官の役割だった。


 戦いに参戦してはいけないし、助太刀してもいけない。それがたとえ愛おしい存在であったとしても、家族でも、兄妹でも―――。――勝手に生徒を助けて、代わりに自分の聖剣で魔物討伐――なんてことになったら、それこそ、昇格試験の〝お目付役〟の立場が御免である。

 すると、代わりに、もっとひどい教師が来たかもしれない。



「…………あくまでもー。あの時の〝処置〟は、私の中で最大の譲歩だったのでありまーあすよ。君に言っても、分からないかもしれませんがねえ。ええ」

「……?」


 寂しそうに、ぽつりとそう呟いた教師に、僕は首をかしげる。

 …………ともかく、『私はぁ、あくまで〝主役〟じゃありませんのーでー』と両手を広げる教師は、いつものこの教師の勢いに戻っていた。冒険の主役ではない、ということであろう。



「……さて、湿った空気にはなってしまいましたが。あなーた自身のことでいうと、《魔物》を無事に討伐し、昇格試験をクリアしました。私がここに足を運んだのは、一つだけ渡すものがあったからですよぉ」


「……? なんです?」

「おめでとうございますぅ。ランク『E』の、《種火ごほうび》ですよ」


 と。ゲドウィーズ教師は、厳重に持ち運んできたらしい、その《鳥籠》のような金庫に入った、静かに燃え盛る炎を手にした。


 ―――昇格の、〝炎〟―――。


 僕は聞いたことがある。目が輝いた。

 それは、《熾火の生命樹フレア・ユグドラシル》から熾る―――神樹の炎の輝きの、その星の欠片のような一つだった。


 これを冒険者と精霊を繋ぐ集会場―――『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』へと持っていくことで、手続きが完了し、僕ら冒険者の証である《鉛色のプレート》が、さらに進化して帰ってくるのである。


 冒険者の証を持つ僕らにとって、その炎を与えられると言うことは、一つだけ、昇格の階段を認められたということだ。



「昇格試験クリア、ですよぉ。クレイト・シュタイナーくん。〝ランクE〟の剣士として認められま~~した。昇格の、〝炎〟を――ここに授けます」

「あ。ありがとうございます」


 僕は、受け取った。

 一生に、そうそう何度もお目にかかれないであろう、貴重な種火。ランクに応じて輝きが違い、全て―――あの神樹、《熾火の生命樹フレア・ユグドラシル》の元にある神樹の聖火から、分け与えられるものらしい。


 ゲドウィーズ教師がその種火を持ち上げ、僕に渡してきた。凄まじい輝きだった。鍛冶を打ち直すように、『プレート』が強化される炎に―――きっと。この世界中にあまたいる、刀鍛冶の人々などは垂涎の代物だろう。


「近いうち、『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』へと顔をお出しなさぁい。そこで『冒険者プレート』の更新が行われますよぉ。クレイト・シュタイナーくん。傷を負っていても、それくらいは、歩けるでしょうしねえ」

「……あ。ありがとう、ございます」


「でぇは」


 パッパと手を開き、ゲドウィーズ教師は何の未練もなくなったように、僕の病室を後にする。最初からそのつもりで来たのか。それとも、この試験の管理者として、不測の大物――〝女王蜘蛛〟と戦った僕に、一抹の負い目から、病室を訪ねてきたのか。


 それは分からない。ともかく、僕が静かに見送っていると、



「…………むぅん。ゲドウィーズめ、きちんと〝昇格の炎〟を渡していきおったかの」

「―――うわっ、びっくりした!?」


 窓辺から、『にゅっ』と顔が出てきた。

 《剣島都市サルヴァス》あるある、七不思議! 怪談、窓から顔を出す呪縛霊の爺!―――ではなく、そこにいたのは、窓に掴まって外に足をぷらぷらさせ、杖だけは手の下に抱えている―――キーズー教師だった。



「な、なんですか!? ビックリさせないでくださいよ!」

「……むぅん。すまんのう。じゃが、少しばかり心配だったものじゃからの。――あのへそ曲がりのゲドウィーズが、どんな顔を下げてお前さんに会いに来るか」


「……? もしかして、様子を見に?」

「むぅん。そうじゃな。玄関からではなく、いつも窓から入るのがワシの流儀での」


 そういって、よじ登ってきた教師は、僕の布団の上に乗っかる。

 まるで動物のように、一息そこで休憩すると、そのまま杖をついて顎を乗せるのであった。


「…………ぐう」

「いや、ちょっと。ここで寝ないでくださいよ」


「……むぅん。おお、すまん。すまん。いつもは、お昼寝の時間での」



 ……やっぱりこの人、お爺ちゃんだ。

 僕はそう思いながらも、はるばる街に下りて学園側から尋ねてきてくれたらしい、今では有数の有名教師として知られる『キーズー老師』のために、布団を開ける。座布団代わりだ。……またぞろ、午後の微睡みに吸い込まれてしまったらかなわないな、と思って注意を払いつつ、であったが。その心配もなく、一度目覚めた老人は、眠ることはなかった。


「さて。〝昇格の炎〟を、無事に受け取ったみたいじゃの」

「……は、はい。ありがとうございました」


「うむ。よい、よいぞ。これはお前さんたちの実力の証じゃ。これでも、ずいぶんとゲドウィーズは悩んだみたいじゃがの。どう会って渡そうか。どう切り出そうか」

「……? もしかして、実力不足とかで?」


「なんの。満点じゃよ。〝百討伐〟の結果には誰も異論ははさまん。現に、お前さんだけは結果的にだけいうと、生徒たちの中で最多の討伐数を誇っておる」


 老人はそう言い、『ただのぉ』と残念そうに杖に顔を乗せ、



「…………今回の試験。『思惑』が多そうじゃったな」

「思惑。ですか……?」


「生徒たちもそうじゃが、教師は教師で、そして運営局は運営局で―――この島を動かす《上層部》は、何かを企んでいるように思えた。またぞろ、企み好きの《フィストリア》――副理事長の仕業か。はたまた、もっと別の何者かが、絡んでいるか知れぬが」

「……? それは」


「――この昇格試験、条件が《厳しすぎ》たのじゃよ」


 老人は、そう僕を分厚いまなこで見上げてきた。

 眠そうな――そんな眼差しが、宿っているのかと思ったら違った。ゾッとするほど鋭く、そして、先を見通すような、『この世の果て』までも見ているような怜悧な眼差しが、そこには宿っていた。


「……冒険をしていて、思わんかったか? なぜ、〝百討伐〟に強敵まで含む必要があったのじゃと。なぜ、最初ゲドウィーズは、〝二百〟などと一部を変えて、試験の厳しさを知らしめようとしたのじゃと。…………まるで、〝脱落者〟を、誘うように」


「…………まさか」


「真相は、分からん。じゃが、ゲドウィーズも……そんな、試験の雲行きの怪しさを感じて、ヤツなりに『生徒たちを保護』するため、条件を厳しくして伝えたのかもしれん。今回の責任者はヤツ、そして、ワシは補佐じゃ。

 なにかが、胡散臭い。―――まあ、その条件の〝厳しさ〟を、逆手にとって悪用した生徒も、おったようじゃが」


「…………」


「気に病むことはない。お前さんは、立派にやり遂げた」


 こちらの悩みが、伝わったのか。

 その老人は白いカーテンの揺れる風の中で微笑み、そして僕を勇気づけるように頷いてみせたのである。小さな手で指さしたのは、僕の手の中にある〝昇格の炎〟である。


「その炎を持って、『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』へと向かうがよい。今回の試験の真相は、ワシたちが、自分なりに調べておこう。それで、未然に防げる思惑も、あるじゃろう」


「……キーズー先生」

「……この部屋、やたら片付いておるの。おそらく綺麗好きの、気立てのよい精霊がおるんじゃろう」


 と。老人は、急に話題を変えた。

 その話題は、精霊のほうへと向いていた。ミスズは現在、冒険から戻った僕らの『ゼロの状態』を何とかするため、ボロボロから立て直すため、消耗しきった薬草や、他の冒険道具を買いに向かっている。


「精霊は、いいものじゃ。安心できる。―――冒険を、支えてくれる」

「………」


「そんな精霊と、向かうがよい。『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』にはな。精霊は、もともと《剣島都市サルヴァス》にとって信仰に価する、とても気高き存在。―――《熾火の生命樹フレア・ユグドラシル》の分身にして、その身にも、確かな神秘が宿っておる。…………精霊を大事にのう」


 冒険者の、根本である。

 キーズー老師は、まるで授業で教鞭を執るように、特別に小さな『授業』をここで授けてくれた。それには、精霊との関係を重要だと捉え、今後の冒険でも―――何があっても、精霊を大切にするよう。そう、教えがあった。



「分かったかの。若き、大いなる冒険者」

「……は、はい」


 〝道具聖〟のキーズー老師はにこやかに笑い、それから尻の誇りを払って立ち上がった。小柄な体は窓に吸い込まれ、それからすぐに外の景観に溶けるように見えなくなる。


 一瞬で、消える。

 一度来ただけの《寮》で、その隠密を成功させるのは―――なるほど、〝道具聖〟の歴戦の老人じゃないとできない離れ業だった。…………僕も、いつかできたら、もっと冒険の中身も充実したものになるのかな。

 ――と、そんなことを思っていると、


「――ますたぁ。お客様ですか?」


 部屋の扉が開き、寮の廊下を通って帰ってきたらしい、ちょっぴり室内を伺うような顔を覗かせ た精霊が帰ってきた。

 僕は頷き、今までの経緯を説明する。


 説明する前に、すでにベッドの上には〝昇格の炎〟の輝き――美しい、その島を形作る神樹の炎があったために、ミスズは高価な宝石でも見たように、『わあぁ』と目を輝かせている。説明を聞いて、さらに瞳が光った。


「――マスター! 昇格ですねっ」

「ああっ。いよいよだな!」


 僕らは手を取り合い、その喜びを分かち合う。

 …………ううっ、苦節、ウン十年……。


 いや、そうまで言ったらさすがに大げさであるが、しかし気持ちは変わらない。《剣島都市サルヴァス》で長く辛い下積み時代を過ごして――今やっと、晴れ舞台への階段が見えたような気がしたのである。頑張ってきてよかった。


「―――さっそく、向かうか!」

「はいっ」


 僕らは、勢いよく寮を飛び出すことにした。







 ***



「ふーん。それで。昇格をするために、はるばる『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』にやってきて、それで専属契約した――受付の私の元へとやってきたのですか。……ふーーーん。帰ってきて、一度も顔を見せていなかったのに」


「…………へ?」

「何でもありません。口が滑りました」



 と。ぷうっと、精霊特有の幼げな頬を膨らませ。

 『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』―――冒険者たちの足が行き交い、巨大な経済都市の中心部に下り立ったように、資料を抱える精霊が忙しく駆け回ったり、魔物を討伐した〝証明書〟を持った冒険者が、目の前をすれ違ったりする中で――。


 受付精霊の〝オリヴァ〟という少女は、そんな中で資料を抱え、雑用をしていたのか、ロビーの手前側で僕らを振り返っていた。


そこだけ王都の交差点の華やぎがあるように、賑やかになった熱気の中で、彼女は大きなコバルトブルーの瞳で僕を見ている。髪の色は、緑。さらさらとしたショート。


 冒険者の間では見慣れない〝黒〟の服装と、漆黒のヴェールの上に丸い帽子。どことなく〝お人形さん〟のような雰囲気で佇んでいた。



「……失礼。書類を整理してから、戻ります」

「あ、うん」


 …………あれ?


 なんか、僕が思っていた反応と少し違うぞ。本当なら、昇格試験を紹介して、斡旋した本人なので、もっと『私の出世のために、第一歩になります』――って、喜んでくれるのかと思ったのだが。僕はとなりにいたミスズと顔を合わせる。


 すると、受付の幅広いカウンターに再び現れた少女は、僕らの前に座った。


「もしかして、何か怒ってる?」

「……怒ってません。べつに。私ってば、つくづく影が薄い精霊なんだなぁ。って思って。ふう」


「……?」


 ブツブツと。僕の冒険者としての書類を整理し、中身を広げていきながらその羽ペンを動かし、慣れた動作で仕事をしていく。その横顔は僕やミスズとあくまで同じくらいの年頃で、難しい資料のまとめなんかできなさそうだったが―――その仕事内容は、完璧みたいだった。



「お見舞いしようと思っても、先客がいるし」

「……?」


「挫けずに、学生寮の門の脇から中を見ていても、なにやら騒動が収まりませんし。私は自慢じゃないですが、生まれてこのかた、誰かに配慮するほどお近づきになった人はいませんからね。遠慮なく――迷惑覚悟で門の脇から伺っていると、見たこともない爆発騒ぎが起こるし」

「……??」


「生徒たちは、逃げ散っていくし」


 少女は、羽ペンを動かしていた。

 半ばヤケクソ気味にため息をついたのは――気のせいだろうか? 凜とした、小さくてもよく動く真面目そうな瞳が――僕をちょっと憎たらし見つめている。姿勢は正しく、椅子に腰掛けて手続きを進めるその姿は教師のようだった。しかし、その奥の顔に宿る感情は、どこか僕らと同じ世代の頑固な意地っ張りが見える。


「では、手続きをします。クレイト様たちがお持ち帰りになった、冒険の成果と――そして、『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』顔を見せるなり、私への挨拶よりも先に見せてきた『〝昇格の炎〟』と、『ランク更新してくれ』というかけ声とともに――お受け取りして、裏へと持ち帰ります。よろしいですね?」

「……? あ、ああ、頼む」


 なんか、やけにトゲトゲとした言葉が僕に突き刺さる。

 冒険していて、《魔物》にすら感じなかった重圧プレッシャーに――僕は自分でも知らないうちに、後ろへと押されていた。すると、後ろからポン、と手をかけてきた柔らかい『丸っこい手』があった。



「――クレイトさん。いよいよ、昇格ですね」

「……! アイビーか!」


 その姿は、精霊アイビーだった。

 メメアたちもここに来ているのか。そのクマの姿をした契約精霊は、顔を見せるなり、『クレイトさんは、何も分かっていませんね』という顔で首を振って、「こういう時、受付をする『取り次ぎ役』とうのは―――どこの王国の召使いも同じ。大変な力を持っているのですよ」ということを話してきた。


「そ……そうなのか?」

「ええ。『外交の使節団しせつだんは、訪問先の大臣の〝召使い〟と仲良くなっておくべし』―――なんて格言も、この大陸にはあるくらいですからね。商人でも、先に大臣の家の召使いに付け届けをして、そのお国の大臣に面会ができやすいよう――口をきいてもらう、というのが常識ですよ」


「ほ、ほう。アイビーは、何でも知ってるな」

「ったり前ですよ。僕は、これでも《大商人》――この世界の富を稼ぎ、ゆくゆくは、自家用の船まで持つ予定の精霊ですからね」


 と、アイビーは、すでに世慣れしている大商人になったように『きりっ』と仕草を決めて、それから『要するに。お土産を渡せばいいんですよね』とカウンターに手を突きつけた。



「――ですよね、お嬢さん」

「――なんですか、この小っこいクマのぬいぐるみ」


 そして、見事にすれ違った。

 お互いに、お互いを見つめながらのその会話のズレ。どちらも〝精霊〟ではあるのだが、その生き様、そして立場が大きく違う精霊たちは―――片方は『昇格試験できたのは純粋に喜ばしいですし、私の出世のためにも、嬉しいことですよ。そこは揺るぎません』と冷ややかな瞳で言い、そしてもう片方は『なぁ!? 誰がっ! 誰がぬいぐるみだ! 失敬な! 王国硬貨2000センズ分の失礼だぁ!』と騒いでいた。ものの見事に、いがみ合う。



「あー。……っていうか、割って入って悪いが、オリヴァ? これで手続きはできるのか」


「はい。必要な〝昇格の炎〟も、貰えましたし。十分です。あとはこちらで手続きがあって、『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』のほうでプレートを強化させていただく間――待っていただきます。しばらく、こちらで手続きが終わるまでいてください」


 そうして、待つように言い渡され、オリヴァは消える。

 アイビーがいるってことは、当然ながら、その主人もいるってことだ。僕は視線を動かし、それから―――『大広間ロビー』の入口に佇んで、まるで今まで見たこともない旅行先の豪奢な王城でも見上げるように―――ぼーっと、佇んでいる少女を発見した。


 …………?

 何やってるんだ、メメアのヤツ。


 僕がじーっと観察しているのにも気づかず、その少女は、赤い本を抱きしめて夢の中を歩くように『きょろきょろ』と見回して――進んでいた。(……というか、冒険している途中は気づかなかったが、メメアもかなりちっさいな。他の冒険者の男や、獲物を持ち帰ってきた剣士たちにぶつからないよう、ちょこまか動き回っている)


 そして、僕と目が合った。


「――っ、く、クレイト!?」

「よっ。なんか、すごく物珍しそうに見てたけど」


 少なくとも、僕とこうやってぶつかる寸前になって気づいて見上げるくらい、夢中になって建物を探索していた。なにか、よほど思い入れでもあるのか。――そう思っていると、メメアは『だ、だって、仕方ないじゃない!』と耳まで赤くなって、


「これが、私の初めての『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』だもの……! 今まで、見たことがなかったし。どうせ入っても、門前払いになってしまうかと思って。『ランクE』に昇格するまで、近づけなかったところだから」


 おいおい、なんかものすごい懐かしい理屈が聞こえた気がするぞ。

 まあ、その辺については気のせいにしておくとして。ともかく、メメアが話し続けているその会話の内容に意識を向ける。


 それによると、田舎者が王都に憧れるような感情だという。確かに、《剣島都市サルヴァス》で冒険する剣士たちにとって、この『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』は中央の大通りの中でも最も華やかな場所だろう。――〝依頼〟が多く集まり、腕の確かな生徒や、強い魔物を相手に出来る冒険者が、出入りを許されているのだ。


 そんな中に、入った。

 感慨もひとしおだろう。


「…………お母様に……手紙を出していたの。『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』に行ったことがあるって。でも、本当は足を踏み入れたことがなくって、怖くて近づけなかったから。だから、ずっと想像上の『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』を書いていたの」


「…………おい、おい」


「わ、悪いとは思っているわよ。でも、お母様を安心させたくて。……でも、実際に見てみると、こんな場所なんだぁ。って思って。思ったよりも、金銀の装飾が少ないのね。皆忙しい顔で歩いていて、『王城宮廷』―――っていうより、『商人連盟ギルド』の中みたい」


「まぁ、そうだな」


 と。

 僕らがそんな手続きを待つ間、感慨に浸ってて話していると。後ろから、ある生徒たちが話す声が聞こえてきた。


『あれー? おい、メメアがいるぜ?』

『あら。本当ね。〝落ちこぼれ〟のメメアだわ』


『ふん。どっかに、冒険に出ているかと思ったら―――こんなところにいやがったのか。おい、何やってんだよ、メメア。ここは、『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』―――お前みたいな、低レベルがうろついていい場所じゃねえぜ?』


 と。複数の生徒が、近づいてくる。

 ……見た感じ、あまり愉快な印象を受けなかった。

 誰もが少し冷たい、『他人を見下す』ような目つきをしており――それが狐目というのか、妙につり上がった風貌をしている。容姿は、他の冒険者たちよりも美々しく、気品があるため……なおさら冷たく感じる。


 そんな生徒たちが、メメアの前にまで来て、



「《魔物の森》で、冒険に失敗して……逃げ帰ってきたそうじゃないか。先日。クククッ。あれには笑わせてもらったぜ」

「あら可哀想。大人しく、こちらの私たち――選ばれた者達が住まう、一つランクが上の《学生寮》の、食堂の床掃除をしておけばよかったですのに。ふふっ」


 そう言って、蔑みの表情を浮かべる。

 メメアは確か、冒険をする理由を――『見返すため』。と、最初そう言っていた気がする。低ランクで。しかも、自分のことを。アイビーのことも馬鹿にしてくる生徒たちがいるため。『誰にも笑われてしまう、《本の形の聖剣》』――それを抱えて、ずいぶん、悔しい思いをしたのだと。


 僕が見ると、なるほど、そうだった。

 この生徒たちは、僕らがいる《授業のクラス》よりも、そして、僕らが住んでいた学生寮の《クロイチェフ寮》にいた生徒たちよりも―――どこか、暗く。陰険さがあった。獲物がいたように、ロビーで歩みよってきたのは、決してメメアがいて『懐かしくて声をかけた』という感情ではないだろう。


 僕は、そう思い、隣で俯くメメアを見る。

 …………暗い表情に見えた。前髪で顔を隠し、静かに……『ジッ』と彼らの悪意に絶えている。そして、顔を上げた。


 しかし、その下から現れた表情は、僕や、『彼ら』が思っているものではなかった。


「―――っ、くっだらない」

「……え?」


 僕も。

 そして、メメアの反応を楽しそうに伺い、見下ろすように待っていた生徒たちも、そんなメメアの一言と、盛大についたため息に、瞳を丸くしていた。



「下らない……はあ。私って、今まで、こんな奴らの悪口に、一喜一憂していたの? こんなのに悔しくて悔しくて、命を張っていただなんて…………夜の《魔物の森》になんて、低レベル帯で潜ったりなんかして」


「な、なんだと……」

「逆に、寂しくなったりしない? そんな、他者を貶めてばかりで。後ろから足を引っぱってばかりでさ。そんな冒険楽しい? なんだか、情けなくて。…………こっちのほうが泣いちゃいそうよ」


「……な、なんですって?」


 その男女の冒険者たちは、メメアがあまりにも堂々と手を広げ、あまりにも立派な立ち振る舞いをするため、少し怯んだように後ろに下がった。



「め、メメアのくせに――。お前、俺たち《寮のグループ》に逆らって、タダですむと思ってんのか? 〝Eランク〟だぞ? こっちは!?」

「お生憎さま。こっちだって、〝Eランク〟よ。そこまでになったんだから」


 と、メメアは。

 僕らと同じ――昇格試験の結果。受け取った、〝昇格の炎〟――その厳重な鉄籠に入った、美しい炎を背中から取り出して見せる。


 見下していた冒険者たちの、顔色が変わった。


「――な。まさか、それ」

「そう。私だって、いつまでも同じ場所にいる《冒険者》なんかじゃないんだから。それに、私が思っている《冒険者》と、アンタたちが思っている《冒険者》の姿って、なんだか違うみたいだしね」


「……っ、な、生意気を」

「そ、そうですわ!! そんな『力』―――しょせん、出来損ないの〝聖剣の本〟を抱えた、あなたなんかにないはずですのに!!」


 そう叫び、あくまでメメアを『元のメメア』のままに押し込もうとする生徒たちに、「――まぁ、そう言うと思ったわ」とメメアがため息。首を振る。


 それから、「じゃあ、見せてあげようかしら」と顔を上げ、《聖剣図書》を開くのだった。契約精霊のアイビーを呼ぶ。



「……なっ、ちょっと待て。ここ、『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』の中―――」

「まぁ、まぁ。クレイトさん」


 と、慌てる僕に、精霊のアイビーが隣で声をかけてくる。

 『僕らだって、今までの僕らじゃありません。マスターも、成長していますよ』と何かを分かった顔で頷き、それから『結合シンクロ』の光に包まれる。アイビーの姿が、聖剣図書の中へと消えていった。


「さあ、皆さん。ご覧じろう。――ここにあるのは、何でもない、このメメアがずっと読み込んできた『見返す方法』の図書。――でもっ、もうこんなの、いらないわ」


 宙に、ふわりと投げた。

 《剣島都市サルヴァス》の城下町のようになった大通りでも、買える本。シンプルだが、どの雑書店にも置いてありそうな――そんな装丁の本が宙を舞い、それから、メメアのゆったりとした動きが追いかけた。



「―――《雷炎の閃光ファイア・ボルト》」


 パチッと。電気と、それを伝う力が渦巻き。

 そしてその手から炎を発生させる。小さく渦巻き、そして放たれた矢のように―――一気に引き絞られ、停滞した炎が、宙へと目がけて飛んでいく。本に当たった。炸裂した。それは表紙ごと中身を貫き、黒い焼け跡をつけながら――《目標》を舞い散らせた。



「…………す、っっげえ」


 僕も。

 そして、このホールに集う、あらゆる冒険者も。契約精霊も。そして、受付や、雑用係たちも、全てが歩みを止め。その一瞬に起こった現象に、呆然と目を丸くしているのだった。静寂がロビーを包む。

 瞳に宿るのは驚きと、そして―― 一種の、感動である。


 僕は初めて、まじまじと見たが。メメアの《呪文詠唱スペル》はすごかった。それこそ、長年蓄えていた、本来の力を解放させたように。



『―――ここ数日で、威力をコントロールしていたのですよ』


 と。アイビーは。

 もう必要ないと思ったのか、《聖剣図書》の中から光りとともに出てきて、地面に下り立つ。僕やメメアの間に。


「僕たちが、さっさと帰った用件は、一つがそれです。〝百討伐〟の事後処理もありましたが……それよりも、何よりも。前回の戦いの反省を生かし。いつでも、どこでも、威力を調整できた《聖剣図書の力》を使えるようにと――。練習したんです」


 アイビーは言った。

 メメアの。新しい戦闘スタイル。それは、前回の〝対・女王蜘蛛戦〟での、《雷炎の閃光ファイア・ボルト》の威力を使いすぎた後の―――ガス欠気味になったことを、考慮して。今まででは冒険で力を使いすぎていた。


 だから、力を使いすぎないよう。〝制御セーブ〟しつつ、より強い魔物へと備えるために。

 アイビーは「これも、どちらかというと〝彼ら〟よりも、クレイトさんに見ていただくために。そのために、マスターはやったのでしょう」と話す。それから死線を巡らせて、


「――まぁ、といっても。〝衝撃ショック〟は、絶大だったようですけどね」


 と、少し笑う。

 精霊が目を向ける先には、ここまで力を制御コントロールしたにも関わらず、《雷炎の閃光ファイア・ボルト》を見て、ガクガクと膝を揺する冒険者たちだった。互いに肩を抱きながら、化物でも見たように、たった一人の少女―――メメアを見ている。



『な、なんだよそれ…………聞いてねえよ!?』

『ば、馬鹿。オマエが先に声をかけたんだろ』


『あ。ああ……あああ……ですわぁ……』


 真っ青になり、震えている。

 メメアは、本を閉じてため息。どうでも良さそうに彼らを見ると、腰に手を当て、薄い胸を張って、


「…………まぁ、今見せたのは力の一部だし。顕示アピールしてしまったのは、まだまだ。私の《冒険者》としての至らなさ、未熟さだったけど」


 反省点を呟くメメアは、「―――本来は、これは大切な人を守るため。そのための力だもの」と言葉を継いでいた。ちょっぴりふて腐れているのは、やっぱり、力を誇示してしまったことへの後悔か。

 そして、すぐに首を振って、髪を揺らしてから『――まあ、でも気にしないで』と言っていた。『すぐに追い抜いてあげるんだから』と。ランクEに留まらない、その意欲を示してから「そのために、私は強くなる。……もっと!」と話していた。


 目の前の学徒たちは―――実のところ、もう半分も聞いちゃいなかったらしい。『く、くそう!』『ふん、今だけだ。魔物に負けて遠吠えをしやがれ!』とお互いをかばい合いながら、転げるようにして情けない姿で逃げていく。


 他の冒険者たちとの手前も、恥ずかしい。

 そんな、後ろ姿を―――メメアは見送ってから、



「…………はあ。復讐だって、本当は色々考えていたけど。見返す手段とか。そのための方法とか。私が偉くなったら、どうやって今までの鬱憤を晴らしてやろうか、なんて考えていたんだけどなぁ」


 がっくりと肩を落とし、そう残念そうに呟くのだった。

 僕は何か、半分以上は冗談に聞こえなくて、



「…………おい、恐ろしいことを言うなよ」

「分かってるわよ」


 ―――復讐なんて、くだらない。

 メメアは、そのことを小さな声で呟いていた。どこまでいっても、それは復讐。自分勝手な、アイツらと一緒。誰のためにもならないし、自分のことも落とす。そんな行為。


「……わ、分かってるなら、な」

「―――しないわよ」


 と。

 今までの疲れ切ったような、そんな声ではない。

 ふと、真顔になって。僕にだけは見せるような、そんな身内に対する顔で、振り返る。そこに『本音』があるように。


「――しない。だって、そんなことしたら。クレイトは呆れちゃうでしょ?」

「ま、まあ。そうだな」


「だったら、しない。クレイトが嫌がるようなことは、しないわ」


 メメアは言った。

 ――それは、信頼なのだと。


 今まで僕らは助け合い、他にはない《冒険者》としての絆が生まれていた。それは、奇妙な友情なのかも知れない。


 旅の先で、知り合い。

 そして、多くの困難をくぐり抜けて、女王蜘蛛まで倒した。


 ――その、道中。僕らが込めてきた、多くの思い。譲れない誓いに。



「…………だから、わたしは。しない。クレイトのこと、本当に大切な仲間だと思っているもの。アイビーも同じ。ミスズちゃんも、同じよ。

 私は、これから、《ある人》を目指して、頑張っていくつもり。復讐なんかじゃないわ。もっと、別の目標を見つけたの。そして―――いつか、追い抜くの。その冒険者を」


「……? そんな冒険者、いるのか?」


「ええ。いる。今もね」


 ウィンク。

 メメアらしくない、どこか、悪戯っぽい大人の感情が宿る瞳で、片目を閉じて、その『相手』のことを隠してきた。


「だから、私は復讐なんてことはしない。これからも、その人のことを見つめるから」

「……む。そうか」


 それは。僕にとって、まだ分からない感情。

 すると、そんな賑わいの少しずつ戻ってきたロビーで、黒いヴェールを揺らしてオリヴァが戻ってくる。〝昇格の炎〟を消費し、そして、その代わりに生まれ変わった――輝きの増した、緑色の学生プレートを持ち帰りながら。


 新しくなったプレートは、大切なモノのように、受付精霊の持つトレイの上に置かれていた。



「どうぞ。クレイト様。――お待たせしました」

「――おおっ!」


 念願の、その輝きを見つめる。隣に着いてきたミスズと一緒に、二人で眺める。


「……さて。あなた、『オリヴァ』って言うのね」

「? はい」


「今から、私も『Eランク』への昇格の手続きをするわ。――説明を、聞かせてくれる?」


 メメアが言って、慌てて『仕事が終わったばかり』の精霊は頷く。もちろんです、と答える精霊は、どうやらこの仕事が本当に好きらしく、少しの疲れも見せずに、長い長い説明を、折り目正しく、一つも間違えずに説明した。


 主に、『Eランク』になって、変わる権限。

 ――『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』の、今までは入れなかった上層階に入ることが出来るようになる。そこでは、さらに格上の魔物の関わった、ランクが上の《依頼状クエスト》が受けられる。


「―――うん。説明も綺麗だし。丁寧で、頭の回転も良いみたいね。……さすが、クレイトが専属にしている受付なだけは、あるかも」

「……? は、はい。ありがとうございます」


「私の専属受付ガイドも、やってもらえないかしら?」


 メメアが、そう言うと。

 ぱあっと瞳を輝かせ。いつもは冷静沈着だ、と思っていた受付精霊のオリヴァは、慌てて契約の資料を取りに行くために、カウンターまで走って行った。その足は軽い。


「――はいっ。これに署名サインしていただけたら、このオリヴァ。冒険者・メメア様の専属受付ガイドにもなります」


 そう言い。

 出世欲に実はまみれた、基本無表情の精霊は、静かにガッツポーズをしている。……メメアには見えないみたいだが、僕らにはよく見えた。


 …………たぶん。

 あの出世したいと望むオリヴァは、また違った―――強力な冒険者。

 いや、何の力を見せていない〝僕ら〟とは違い、たったいま、目の前で《雷炎の閃光ファイア・ボルト》を撃った冒険者の姿を見て、『契約できるのか!』という気持ちで、胸が躍っているに違いない。

 この短期間で、ずっと受付の中でも雑用係だったオリヴァは、『専属受付ガイド』として、『Eランク』相当の冒険者を一気に二人獲得したことになる。……そう考えると、なかなかの敏腕だった。



「……にへへ。また、将来の――大物の冒険者を。獲得です。このオリヴァが、いつの日にか『依頼状斡旋所ワーク・セントラル』を牛耳れる日も、近いです……」


「…………いいのかなぁ?」


 そう思い、首をかしげながら。

 僕は、そんな〝Eランク昇格〟までの手続きを、無事に終わらせるのである。





 Eランク、突入。

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