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00 故も知らぬ序寓話(プロローグ)







 『聖剣』。

 それは、精霊の宿る武器だ。


 この広い大陸―――〝平原をゆく馬車〟〝ドラゴンの巣のある峡谷〟もあれば、〝幻想的な滝の落ちる自然風景〟〝華やかなりし王国の城下町〟もある、この母なる土地に住まう人ならば―――、誰もが、それを『道具』という。


 しかし、僕は違うと思った。

 それは、友達なのだ。


 自分で考え。

 自分で悩み。

 誕生日に、ロウソクのついたバースデーケーキが登場したら、ぱあっと顔を明るくするだろうし、とても楽しいことがあったら笑うだろうし。傷つくような悲しいことを言われたら、人間と同じように泣いてしまうだろう。



 彼女たちは、常に孤独な英雄の傍らにいた。


 ――〝悪竜〟を岬で倒した、伝説の英雄のとなった剣も。

 ――〝王位〟を継ぐために、岩肌から引き抜かれた聖剣も。

 ――〝絶対に倒せない不死者〟を倒すために、墓場にて勇者が手にした銀の剣も。


 彼女たちは、ともに旅をする〝仲間〟であり。

 一緒に戦う、〝戦友〟なのである。


 心細い旅路や、馬一頭で峠を越える険しい道のり。英雄の心を支えたものは、何だったのか。ボロ布に身を固めて旅をする彼らの隣には、常に『御子』がついていた。一本の物語には、一つの伝説と、一人の英雄と、一本の剣がついて、ようやく『一つの巻物』になっているのだ。



 そして。

 僕が歩き出した、その『伝説』は―――。









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