第六話
街に入ってすぐ、目についた宿屋に入る。
木造の落ち着いた内装。
人の出入りもそこそこ多い。
「一泊で」
受付に軽く声をかける。
手続きを済ませ、部屋の鍵を受け取る。
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部屋に入りベッドに倒れ込む。
「さて!お楽しみのステ振りタ〜イム!」
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【ステータス】
プレイヤー名:nayuta
種族:竜人
ジョブ:神官
レベル:12
HP:100
MP:120
STR:15
VIT:10
DEX:10
AGI:10
INT:10
MND:20
LUCK:10
【装備】
武器:初心者用戦杖
頭:なし
胴:初心者用ローブ
腕:なし
脚:初心者用ズボン
足:初心者用ブーツ
装飾:なし
【スキル】
・ヒール Lv3
・リジェネ Lv3
・クイックステップLv3
・ペネトレイト
・キュア
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「……まあ、こんなもんか」
まだ当分は攻撃とMPでいいだろう。
今はとにかくヒールできる回数と攻撃力を伸ばす方向性でいこう。
ふと、手元に視線を落とす。
さっきの戦闘で手に入れた素材。
ヴェノムサーペントの鱗
「これ装備素材なんだ、とりあえず見ておこうかな」
ウィンドウを閉じ部屋をでる。
目的は一つ。
装備の更新である。
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通りに出る。
人の流れに紛れながら、店をいくつか覗く。
まずは武器屋。
壁に並ぶ戦杖の中から、一本を手に取る。
「……鉄の杖か」
今使っているものより、わずかに重い。
でも、その分耐久値があがっている。
「……こっちの方がいいな」
迷わず購入する。
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次は防具屋。
軽装が並ぶ棚の中に、見覚えのある素材を見つける。
「……あー、やっぱあるね」
ヴェノムサーペントの素材を使った装備。
その中の一つを手に取る。
細い革の帯、太ももに巻くタイプの装備、いわゆるガーターリングである。
「……ガーターリングかぁ」
回避性能上昇と毒耐性上昇。
僕のプレイスタイルにぴったり。
そしてなにより見た目がかわいい。
「……へー」
くるりと手の中で回す。
「……どうせなら、こういうのもありだな」
そのまま店員に差し出す。
「これで」
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装備を付ける。
太ももに巻き付く感触。
軽いし、特に違和感はない。
軽く姿を確認する。
細身のシルエット。
露出が増えた脚。
ほんの少しだけ、印象が変わる。
「……へー、かわいいじゃん」
そのままルンルン気分で店を出るのだった。
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「じゃあ明日は昨日の草原集合で」
「おっけー。んじゃ、また明日な」
通話を切る。
明日は暁月とデュオである。
ソロも楽しいけど、誰かとやるのもまた別である。
それに――
「……せっかくだし、ちゃんと動けるようにしとかないとね」
新しい装備も試したいし。
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なゆたは宿を出ると、そのまま来た道へと足を向けた。
目的地は、昨日の草原。
少しだけ足取りは軽い。




