第二話
視界が完全に開ける。
石造りの建物、行き交うプレイヤー、遠くに見える塔。
「……すげぇ」
軽く周囲を見渡す。
思った以上に人が多い。
サービス開始直後ってわけでもないのに、この人数は普通にすごい。
「お、いたいた」
聞き覚えのある声。
振り向くと、人混みの中でもやけに目立つ人物がいた。
高い身長に、無駄のない細身の体。
プラチナブロンドの髪はゆるくウェーブがかかり、光を受けて柔らかく揺れている。
赤いメッシュが混じり、視線を引いた。
そう、僕の幼馴染は元から顔がいいのである、羨ましいとかそんなんじゃないけど取り敢えず爆散してみて欲しい。
紅い瞳がこちらを捉える。
「遅いな、なゆた」
「死ねクソイケメン」
「出会い頭に酷くない?!」
クソイケメンが手招きする。
一発ぶん殴ってやろうかな。
「とりあえず、最初のクエストを受けようぜ、ウィンドウから見れるはずだから」
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広場の一角。
視界にウィンドウが展開される。
【クエスト一覧】
・草原の一角兎の討伐(0/5)
・薬草の採取(0/3)
「最初は兎を狩りながら、余裕があれば薬草採取もしときたいな」
「兎か」
「チュートリアルみたいなもんだし、支援職でも余裕で倒せるよ」
軽くタップして、クエストを受注する。
【クエストを受注しました】
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「じゃあ行こうか」
街の外へ向かって歩き出す。
門を抜けると、視界が一気に開けた。
草原。
風に揺れる草と、遠くに見える森。
その中に、小さく跳ねる影。
「あれ?」
「そう。あれが一角兎。近接職ならツーパン、後衛職でも4回も殴れば倒せるよ」
暁月が前に出る。
片手剣を抜いて、そのまま数体の兎に近づく。
軽く振るう。
ヒット。
ダメージが表示される。
兎がこちらに向かってくる。
「3体くるよ」
そのまま距離を取る。
「回復、頼む」
「了解」
一角兎が一斉に飛びかかってくる。
剣で一体を受け、横に流す。
残りも軽く捌く。
動きに無駄がない。
――上手いな。
一角兎の攻撃をいなしていた暁月の背後に一角兎が回り込む。
一撃、暁月のHPが1割ほど削れる。
「ヒール」
淡い光が暁月を包む。
HPが回復する。
「ナイス」
「まだ余裕あるね」
「これくらいならな」
そのまま剣を振るう。
一体、二体と倒していく。
最後の一体も、すぐに処理された。
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【兎の討伐 3/5】
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「あとちょいだね」
「もう一回やる?」
「そうしよ」
特に問題もなく、同じ流れで進む。
前に出る暁月。
後ろで回復する自分。
ヒールのリキャストタイムは4秒くらいって感じか
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【兎の討伐 5/5】
【クエスト達成】
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「はい終了」
「早いね」
「まあこんなもんよ」
剣を軽く振って、納める。
「どう?やれそう?」
「余裕〜余裕〜」
「そりゃよかった」
軽く笑う。
「じゃあこのまま薬草も取ってくか」
「その前にステータス振っておこうかな」
最初はある程度攻撃に振ってこうかな
【ステータス】
プレイヤー名:nayuta
種族:竜人
ジョブ:神官
レベル:3
HP:100
MP:120
STR:14
VIT:10
DEX:10
AGI:10
INT:10
MND:12
LUCK:10
【装備】
武器:初心者用戦杖
頭:なし
胴:初心者用ローブ
腕:なし
脚:初心者用ズボン
足:初心者用ブーツ
装飾:なし
【スキル】
・ヒール Lv1
・リジェネ Lv1




