異世界転移スー女
イラストレーターで、相撲好きな、いわゆるスー女の牧野みなみは、仕事の合間に大相撲初場所のテレビ中継を観ていた。自分の推しの若手幕内力士、唯乃花が寄り切りで勝った瞬間、満面の笑みを浮かべた。「やった! 唯乃花、最高!」と叫びながら、みなみは手を挙げた。そして、お気に入りの砂糖とミルクたっぷりのコーヒーを飲んで寛いでいた。その瞬間、部屋中が突然青い光に包まれ、視界がぼやけていく。
気づいた時には、彼女はまったく知らない場所に立っていた。目の前には、昔のヨーロッパを思わせる美しい街並みと、素朴な人々の姿が広がっている。「ここは……どこ?」と戸惑いながらも、周囲を見渡すみなみ。アニメや漫画によく出てくるような昔のヨーロッパ風の異世界に飛ばされたらしい。「……異世界って、……本当にあるのね!」
初めは、まったくどうすればいいのか分からず途方に暮れていた彼女。もう元の世界に戻れないのか? だったら、どうやって生きていけばいいのか? しかし、運命の糸は彼女を放置しなかった。しばらく歩いているうちに、彼女は街の大通りで新聞社を見つけ、「……何とか得意な絵を描いて生計を立てられないかな」と考えた。その決断は、彼女の人生を変える大きな第一歩となる。
新聞社の面接で、彼女の絵の才能が評価され、すぐに採用されることになった。異世界でも絵を描くことができるなんて、なんて素敵なことだろう! それに、仕事を通じて出会った人々から、何とこの世界にも相撲が存在することを聞いた。相撲スタイルも技も日本の大相撲とよく似ているらしい。「……推しの唯乃花のような力士はいるかしら?」
「これは見逃せない!」彼女の心が弾む。異世界の相撲を描くことで、彼女自身のアートスタイルをさらに広げられるチャンス。さらには、日々の絵を描く作業が大好きな相撲を応援するために役立つとなると想像するだけで、胸が高鳴る。
新たな世界の魅力に引き込まれながら、みなみは異世界での生活を楽しむことに決めた。後ろを振り向いていられない。奇妙な冒険は始まったばかりで、彼女の芸術的な旅がどんな方向に進むのか、誰にも分からない。果たして彼女は、自分の描く作品を通じて相撲の魅力を異世界に広めることができるのか? 神のみぞ知る。




