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7.新しい一生!…ってわけでもない?

 だってダンジョンなんて僕の居た世界に存在してなかったし…ここが異世界だって言われた方が納得がいくよ。ただそれにしては見覚えのありすぎる光景と見覚えのある子が隣にいるけど。

「そうじゃな…そこから説明した方が早いかもしれんな」

『あたしゃ寝てるから、用が出来たら起こしておくれ』

 長い話が始まると察したのか、部屋の角に移動して丸まり始める火車さん。自由だなぁ…これぞお猫様って感じだけど。


「では、まずダンジョンとは何かだが」

「はい!」

「……随分と目を輝かしておるな。先に言っておくがあの時流行っておった異世界転性とかはしておらんぞ?」

「早速予想が外れた!?」

「そんな予想をしとったのか。私やこの家がある時点で違うのは分かるだろうに」

「で、でも校舎丸ごととか複数人での転生とかいろいろあったし」

「あくまでもフィクションの話じゃろ」

 それを言われたらぐうの音も出ない。相変わらずこちらの考えを読むのが上手いな金ちゃん。


「それに関しては読むというか筒抜けというか…一先ず!異世界転性はしておらんし、なんらなお主自身が未来に転生したわけでもない」

「異世界は無くてもそっちはあり得ると思ってたのに…だってこんなに縮んでるんだよ?」

 頭を動かして確認するが、正しく幼児体型。気絶するまでが大学生だったんだからこの体の逆行はあり得ないだろう…本当にフィクションの探偵になってしまうよ。

「それにダンジョンが関わっておる」

「えぇ?」

「正確には生成途中のダンジョンだが…そこはよい。ギンよ、前に言っておったが黒い渦のことは覚えておるのだな?」

「うん。僕の車と初回予約特典を飲み込んでいった、憎き渦のことなら」

 今思い返しても許せんあの渦め…人の大切な限定品を盗んでいくとは!車はまだ古い中古品で限定品でもないからまだ許せ……はしないね?考えてみれば車も僕のバイトの結晶だし。


「車に予約特典。まさかそのために中に飛び込んだのか?」

「気が動転していたのもあるけど…はい」

 後飛び込めるほどさらっとしてませんでした!なんかドロッとしてたよあの渦。

「何ともまぁ。頭の痛い話ではあるが、もう300年も前のことじゃし一旦流すとしよう……ではまずはおぬしとダンジョンの話だが」

 一旦なんですね…間違いなく後で怒られるパターンだなこれ。




 その後渦の正体に自分に起こった事、さらに今置かれている現状を聞いていったが纏めるとこうなった。

 その1:黒い渦は未完成のダンジョンであり、周囲の人工物や動物を取り込んで生まれ落ちようとしていた。そしてダンジョンからは悪意を持つ化け物たちが現れて、世界で暴れまわったそうな。でもいくつかの渦は人工物や動物の少ない場所に出現して上手く成長しなかったそうで、僕の目の前に現れたのもそれの1つだったそう。


 その2:僕はその未完成のダンジョンに入り込んだことにより生命力を吸われ危篤状態であった。あの時気絶したのは、少しでも生きながらえようとして体力を回復しようとした生存本能らしい。


 その3:そんな状態であったのに僕が生き返ったというか回復したのは、金ちゃんが持たせてくれたお守りが侵食をある程度防いでくれていたかららしい。そしてそのお守りの反応で急いで僕を助けに来た結果、ごく小規模なダンジョンの中に倒れている僕を発見したんだとか。ただ救出したのはいいけど、予想以上に体の生命力や浸食が酷かったので一部を残して体の再生を行った。


「それで魂的な物が定着するまでこの雲竜図の部屋で陣を敷いて待ってたんだね?でも定着するのに時間がかかったと」

「うむ、掻い摘むとそうなるの。ほぼ赤子の体に成人となった魂を埋めるわけじゃからの」

「なるほどねぇ」

 確かに異世界転生ってわけでも現代転生でもないな…コールドスリープとかに近い?体は縮んで若返ってるけどね!

「おかげで大分力を使ったわい」

「そうなんだね……んん?」

 ずっと話していて思ったけど、明らかに変な点がもう1つある。

「金ちゃんさ」

「なんじゃ?」



「人じゃ無かったりする?」

今更である。


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