13.いざ自室探訪!
金ちゃんの思い一つで、僕のお尻が水が主食の異星人みたいな色になるかもしれなかったという事実を知ってしまった…まぁ結局は無事みたいだけど……本当だよね?まだちゃんと見たことがないから体に変な模様とかが追加されている可能性もあるけど…うん、深く考えないでおこう。
「ふぅ…手の疲れも落ち着いてきた」
「変に興奮して急ごうとするからじゃ」
「でも握力を消費したお蔭でもう目の前だよ」
途中から金ちゃんに支えてもらいながらだったけどね。少しずつだけどトレーニングみたいなのもやった方がいいのかなぁ?
「そんなものまだ先も先じゃ、スクワットをして呼吸困難になったばかりだろうに」
「あっははは…あの時はお騒がせしました」
凄いよ、3回も出来ずにダウンだからね!
「まだ万全ではないのだから、落ち着きを持ってほしいもんじゃ」
「善処はします」
それが実行できるかどうかは分からないけど…
「……もう簀巻きにでもしておくかの?」
「もう少し考えて動くので、それだけはご勘弁を!」
あれトイレとかに行けないから緊急事態が発生するんだよ!家の裏山に勝手にキャンプに行った後にお仕置きでやられたことがあったけど、危うく尊厳を失うところだった苦い記憶がよみがえる……あの時はだれが助けてくれたんだっけ?唐突に縄がほどけて、急いでトイレに行ったから覚えていないんだよねぇ。
「ほれ、他のことを考えていないでこっちに集中せい!」
「ごめんごめん。どうしても昔のことが思い浮かんじゃって」
これも副作用か何かなんだろうか……ダメダメ!変なことは考えるな!僕の部屋の危機だぞ!
バチッ!
「うわっ!」
早速我が家(自室)に入ろうと手を伸ばしたところ、かなり強い静電気みたいなのが発生して弾かれてしまった。いったい何事?
「む?なぜ弾かれておるんじゃ」
「そんなこと言われても…」
「きちんとお主には反応しないように作っておった筈じゃが――――あっ」
あっ、ってなによ。あっ、て…間違いなくやらかしてる思い出し方じゃないか。
「それでどうしたの」
「この札は昔のお主に合わせて作っておったんじゃ…」
「つまりこのちんちくりんな僕じゃどうにもならないと?」
「うむ」
「…急いだ意味なかったじゃん」
僕の部屋の危機だというのに入れないとは……どうすればいいんだ。
「仕方がない、ここの札は無くすとしよう」
僕が悩むのをよそに扉の前で金ちゃんが袖を大きく振るうと、入るのを拒んでいた札が一気にボロボロに崩れていった。うわぁ、摩訶不思議現象だ。
「最初からそうやって剝がしてくれたら僕の指は安全だったんじゃ?」
「まだまだ使えるものだというのに廃棄するのはもったいなかろう……力が戻りさえすればスキマを封じたところのみを崩せたというのに」
ああ、そう言えば倹約が好きでしたね…ケチともいう。
「何か言ったかの?」
「いやナンニモー。さぁ急いで入らないと!」
待っててね!僕の大切な子たち!
ガラッ!
睨まれているの誤魔化すように、勢いよく扉を引く。凡そ300年の間封印されていたというのに扉は何のがたつきや軋みもなく滑り、懐かしの自室の姿をあらわにした。
「うわぁ!変わってないなぁ!」
目の前の口径に笑みを浮かべながら、後ろを見ずに滑り込むように入室していく銀之助。
「むぅ、誤魔化し方が相変わらず下手じゃの」
そう言いながらも、口元には笑みを浮かべ後を追いかけてゆく。
「お気に入りのがま口財布だ!?もう無くなってるかと思ってたよ!」
僕と同じように黒い渦もといダンジョンに巻き込まれちゃったから、もう出会えないとばかり……本当に良かった。
「こっちはお茶を入れるときに使ってた鉄瓶!全く赤錆が出てない…こっちの茶釜もだ!」
ポットで沸かすのもいいんだけど、こっちで沸かす方がお湯が柔らかい気がして愛用していたんだ。といっても時間がある時限定だったけどね。茶釜は昔蚤の市で一目ぼれして購入した一品だったけど、ちょっと上の方に罅が入っていたから本来の半分ぐらいの量でお湯を淹れてたっけなぁ。
「あれ?罅が入ってない…」
もしかして不便だったから父さんが直したりしたのかな?そうだとしたらかなり綺麗に直ってるよ。どこに罅があったのか全く分からないもん。
「うんうん、あれもこれも本当に懐かしいなぁ!」
引っ越しに持っていけなかった子たちも無事みたいだし一安心だ。
でも、揺れていた原因はさっぱりだなぁ?
揺れの原因はどこにいるんでしょうねぇ…
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