11.禁断の部屋…いや僕の自室だけどね!
奥さん、事件です。僕は今自分の部屋に向かって歩いていました。ですが覚えのある廊下の突き当りを曲がり、またまた見覚えのある内庭の池を眺めつつ目的地に辿り着いたと思ったら、そこにはこの先立ち入りべからずとでも言わんばかりの量のお札が貼られた扉が待ち受けていたではありませんか。
「しかもお札の隙間から見える扉の模様は僕の部屋であることを表す物…これは事件の香りがします」
「何をやっとるんじゃ」
「いやだって、久しぶりに部屋に戻ってきたと思ったら開かずの間みたいになってるんだよ?幾ら300年経っているとはいえこの変化はないでしょ」
もしや僕が寝ている間に陰陽師的に本当に危険な物が仕舞われる部屋みたいな扱いになってしまったとか……いや、それなら雲竜図の部屋の奥の廊下の先に仕舞う筈。うちは古い家だから刀とかが結構あるんだ。ただそういうのは人目に触れるべきじゃないってその部屋に不思議なぐらい厳重に仕舞われていた記憶がある。
「あの部屋は呪具も置かれておるからの」
「だから鍵が何重にもされていたんだね…」
一回家族の目を盗んで立ち入ってみたことがあるけど、特に危険性はなかった気はするけどね!あの時は昔見た刀とか綺麗な扇子みたいなのをまた見て観たくて入ったっけなぁ…何故か鍵が全部開いていたから喜んだけど、慌ててやってきた父さんとお爺ちゃんにめっちゃくちゃに叱られて…母さんには体の隅々まで調べられたっけな?流石に刀を手で触ったりとかはしなかったから何もなかったけど――――ああでも、扇子は何度も弄ったっけ。
「あれが一番危ないものだったのだぞ?」
「そうなの!?でも、夏だったから涼むために仰いだりしたけど何ともなかったよ?」
「まぁ持ち主が気にしておらんかったからな」
「結構危ないことやってたんだなぁ僕……あと一つ聞いてもいい?」
さっきからずっと気になってたけど、こればっかりは聞いておかないといけないよね。
「なんじゃ」
「金ちゃん僕の考え読んでない?」
明らかに声に出していないことまで聞かれているよね。きさま、見ているな!とかやった方がいいんだろうか……いやあれは念写だから聞こえているとかじゃないんだっけ。
「そらお主の肉体をここまで回復させたのは私だぞ?多少の干渉は仕方のないことだろうに」
「干渉かぁ」
それにしては多少の干渉というかすべてが筒抜けな気がするんだけど…
「ギンよ。少し考えていることがわかれば後はその表情で大体がわかるのだぞ」
「そんなに分かりやすい?」
「うむ、それこそ筒抜けじゃ」
じゃあ仕方ないか…ポーカーフェイスとかを練習して対策はしておこうかな。でも、昔も似たようなことを友達に言われて練習をしたんだけど、微妙な顔をされてやめとけって言われたんだよね。
「ほれ、それよりも部屋に入らんのか?」
「その部屋から逃避したかったから他の話をしていたんだよ!」
もう何なのこの入口!禁や縛って書かれたお札が扉の隙間を埋めるように貼られているし左右にこんもりと潮も置かれているんだよ?これが僕の部屋だって言われて言われても信じられないって。
「ねぇ、やっぱりここは違う部屋だったりしないの?」
「間違いなくお主の部屋じゃ……まぁ少々装飾が派手だがの」
ぐぅ…金ちゃんが言うならここが僕の部屋であることを認めるしかないのか。ただ装飾は派手どころではない気がするけどね!
バタッ
「んん?」
遠目で見ていたけど、いい加減中に入るために廊下を進んでいたけど――――今扉が揺れなかった?
「金ちゃん、扉動かなかった?」
「気のせいじゃろ。それか風で押されたんじゃないかの」
そうか風かぁ。確かに秋の風が吹いているし、それで揺れたのかもしれないね。
バタッ!ガタガタ!
「金ちゃん」
「なんじゃ」
「明らかに自然な揺れ方じゃない気がするんだけど」
「気のせいじゃ気のせい。ほれ、さっさと行くぞ」
「そうか、キノセイカー」
……ならそのガシッとつかんでいる腕を放してもらえませんかね?
部屋で待ち受けるものとはいかに?
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