1.世界への氾濫
初のローファンタジー作品になります…どうか温かい目で見守っていただけたら幸いです。
――2147年12月24日16時46分XX秒
世界の均衡が水面下のギリギリの保たれていた時代…とある国が先制攻撃しかけ、新たな大戦が起ころうとしていた。
《閣下!発射準備完了いたしました》
《そのまま発射の体制を維持せよ…本部!こちら〇〇支部所属××准将。ミサイルの発射準備が完了した!》
<こちら本部。直ちに発射を開始せよ……我らの正義を執行せよ>
《ハッ……諸君!これより我々は正義を執行する!開始せよ!》
《ハッ!》
命令を受けた部下の1人が、今まさにミサイルのボタンを押そうとした
――瞬間、戦火の火蓋となるはずだったミサイルが突如出現した黒い渦に吸収され消え去った。
《ミッ、ミサイルが消えた!?》
《いったい何が起こっている!?》
現場は突然の不可解な現象が発生し、騒然とする現場。
《落ち着け!本部に応答を求める!》
その場に居た指揮官は緊急事態が発生したと本部に指示を仰いだ――が、本部からの返答はなくホワイトノイズが響くのみ。急ぎ他の支部に連絡を取るように部下に指示を送るが、同じように何も返答がない…しかし、奇跡的に1つの支部が応答に出た。
《こちら○○支部!緊急である!状況のみを簡潔に送る!》
<……くれっ!>
《ミサイル発射寸前に謎の黒き渦が発生し設備が焼失した!以前渦は拡大中!》
<……>
《そちらはどうなっている!応答せよ!》
<……ギ…>
《どうした!既にそちらでも異常が発生しているのか!?応答せよ!》
<…ギギ?>バキン!
その不明瞭な声と何かを破壊した音を最後にプツンと支部からの連絡は途絶えた。
《くそッ!一体何だというのだ!?》
《准将閣下…渦から何かが!》
《何かとはなんだ!きちんと見たものを――何だアレは》
連絡を送る前よりも更に大きくなり成人男性の背ほどまで成長した黒い渦。その内側からのっそりと、人間の胴体ほどの太さの腕が生えて来ていた…さらにその奥からはこちらを見つめる眼が。その濁った眼は冷たく、更に強い殺意が宿っているように感じる。
《ぶ、武器だ!ありったけの武器を持ってこい!》
《こ…交戦するというのですか!?は、話し合いなどは》
《ふざけているのか!?我が国のミサイルを飲み込み、殺意を携えた眼でこちらを見つめる化け物なのだぞ!味方であるわけがない!》
《か、かしこまりました!》
慌ただしく部下が駆け回り、ありったけの武器が集められた…その間にも渦は広がり、今にも化け物がこちらに入り込もうとしていた。
《いいか!奴がこちらにやってきた瞬間に集中砲火を浴びせてやるんだ!我々の後ろには祖国があることを忘れるな!》
《ハッ!》
緊張感が走る中――とうとう化け物が渦から現れた。
ブォン!
《撃て!これ以上国の土を踏ませる……な?》
ゴシャっと准将の耳に何かが砕けるような音と水音が聞こえたかと思うと、浮遊感とともに体がドサッと落ちた。
《か、閣下!ご無事です……》
彼の部下が震える声と共に後ろを向くと――ミサイルの部品らしきものに潰された准将が居た。
”オオオォォ!”
手に持っていた岩で准将を打ち抜いた化け物は一度雄たけびを上げると、悲鳴と共に撃ち続けられる銃弾と手榴弾を羽虫かの如く邪魔そうに払い進行を始める。
《な、何でこんなことに…》
《泣き言を言ってる暇があったら抗戦を続けろ!》
《でもまるで効いていないじゃないか!》
《邪魔そうにはしているだろうが!生きて帰りたきゃやるしかない――おぁ?》
威勢よく言葉を発していた戦友が気の抜けたような声を発したと感じ、基地の隅で怯えていた男が顔を上げると。
《…ははっ……なんだありゃ?》
1体、また1体とあの化け物が渦からこちらに現れているのが見えた。その化け物たちは巨大な手斧を持っており、1体が投げたソレによって目の前の戦友の頭がコロンと落ちた……ああ、だから気の抜けた声を出したのか?彼らしくないと思ったんだ。
《ハハハッ!夢だよこれは!ほら、痛みなんかないんだから!?》
その光景を見て狂ってしまったのか自分の腹に深くナイフを突き刺し、早く覚めろよと叫ぶように笑ったかと思うと…次第に静かになり事切れた。
――数時間後、静寂に包まれたその基地から出てきたのは化け物のみである。
最初だけシリアス…プロローグ終わるとシリアル。
因みに冒頭の時間に意味はないです。その方が唐突感があっていいかなと。
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