表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】過保護な竜王による未来の魔王の育て方  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/90

40.喧嘩したら仲直り

 お仕事の終わったディーがお部屋に迎えに来た。なぜか、フィルと睨み合ってる。婚約者は未来のお嫁さんなのに、変なの。


「どうして、イオフィエルがここに?」


「婚約者ですもの。養い子ができたと聞けば、私もお世話をするのが当然ですわ。どうして私に隠したのです?」


「隠してはいない。言わなかっただけだ」


 お父さんとお母さんの喧嘩に似ている。いつもお母さんが勝つんだよ。二人を交互に見て、僕はバラムの足に手を掛けた。すっと腕が伸びて、抱っこしてもらう。アガリはまだお仕事しているんだ。


「ねぇ、バラム。二人は喧嘩しているの?」


「いつものことです」


「ふーん」


 やっぱりお父さん達と同じだ。それならフィルが勝つよね。お母さんに勝つと後が怖いんだ、お父さんはいつもそう言ってた。勝ちを譲ってやるのが、いい男って。でも僕から見るとお母さんが圧倒的に強い。


「こんなに可愛い子を隠して、私に言わないなんて。浮気よりひどい裏切りよ」


「両親がいて、養子にするわけでもないのに、婚約者に報告する方が変だろ」


「浮気しても同じ言い訳をする気ね? 妻にするわけじゃないから報告しなかったと逃げる気でしょう」


 うん? お話が逸れてる。僕のお話じゃなかったっけ?


「バラム、お話が違うところへ行った」


「これもいつものことです」


「……そう」


 バラムは笑顔のままだし、きっと大丈夫だよね。僕は安心して、バラムの腕を掴んだ。ディーも硬い腕をしているけど、バラムも同じ。お父さんに似ていて安心できる。アガリは少し柔らかいけど、シエルやお母さんと似てるかも。


 世の中には硬い腕と柔らかい腕がある。フィルも柔らかかったし、お胸は人によって大きさが違う。いっぱい覚えた。


「いつまで引きずるんだ! あれは浮気じゃないと言っただろ」


「あら、開き直るつもり? あの子は、ディアボロスの妻にしてもらえると言ってたわ。誑かしたくせに!!」


「転びかけたから助けただけで、触れたのもその瞬間だけだ。アガリも一緒だった」


「弟の証言は信用できないわ、身内ですもの」


 なんか怖い会話になってきた。バラムを見上げると、彼の顔も引き攣っている。


「バラム、止めなくていいの?」


「止めたらとばっちりがきます」


 怖いみたい。とばっちりって、痛い? でもこれ以上はダメだと思うから。僕、痛いの少しなら我慢できるよ。手のひらの傷をみて、ぐっと握る。痛いけど、大丈夫。


「喧嘩しないで! 仲良くしないと二人とも嫌いだからね」


 これ以上喧嘩したら、どっちも嫌な思いをするよ。僕は大きめの声で叫んだ。叫ぶ時って、目を瞑ると声が出るよね。だからぎゅっと目を閉じて、叫んでから目を開ける。


「うわっ」


 びっくりした。ディーもフィルも目の前にいて、僕に「ごめんね」をする。僕じゃなくて、二人でごめんねをしないとダメ。そう伝えたら、困った顔をした後でごめんねをした。


「ふーふは仲良し。お父さんとお母さんの仲直りを教えるね」


 ちゅーするんだよ。口と口をくっつけて、ちゅーって! 二人はすごい表情でお互いを見て、指で相手を示す。この人と? って仕草に頷いた。


 僕としても仲直りにならないでしょ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 夫婦仲直りのチューは最高ですな(*≧ω≦) 猫組合の三毛猫会長が、猫作者さんに面会希望してきたきゅ。 うっかり珍魂渡したら三毛猫会長が玉乗り始めたきゅな(*≧ω≦)  やはり、玉の魔力に猫…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ