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初の旅路にて

第三路

~裏切り~



拝啓お母さん、僕は今謎の異世界にいます。

ここで勇者が魔王たちを討伐した世界で、そして私はその魔王たちを救うために旅にでることになりました。

なぜこうなったのか僕にも分かりません。

でも要略すると、こういうことらしいです。

この世界にはいくつかの国があり、魔王討伐に成功した勇者たちはそこに勇者の(ダンジョン)を杵築あげ、自分たちの領土を管理している。魔王軍はなんとかヘルエクスという辺境の地に逃げ延びたが、下級の魔物たちは勇者の加護とやらの影響で自我も保てなくなり人間であろうが魔王派であろうが見境なく襲う、はぐれと呼ばれる魔物たちもいるらしい。

さらに魔王軍でもはぐれにもならなかった者たちは、人間に差別されたり、奴隷にされているらしい。

僕がこの世界の言語が分かるのは召還時に翻訳機能を付与されていたからだそうだ。

そして僕は召還した魔王の願いを叶えないともとの世界には帰れないわけで、必要最低限の武器、勇者討伐派だとばれないための旅人ようの服、金、アホヅラのチップという少年を連れ十三人の勇者がいる十三のダンジョンを巡り破壊、領土奪還の為ともとの世界に帰る為にこの始まりの森とやらにいるのである。


「……じゅーーーん。」


「僕はじゅんじゃなくてチップですが。?」


「もう嫌だー。

なんで俺がこんな目に遭はなくちゃならないんだー。」


「まあまあ、感謝してくださいよー。

僕がこの世界のこと教えてあげなかったら何も分からなかったんですから。」


「てか俺勇者討伐なんてする気ないから。

あくまでも勇者は説得、そして他に戻る方法探すつもりだからね。?」


「そんな方法ありますかねぇ。」


「探してみせる。そして俺は本当の勇者になるのですっ。!」


「なんでそんなに勇者にこだわるんですか。」


「ん?それはなぁ……。」


俺は語りかけた口を閉じた。


「まあ色々あるんだよ。

ところでお前こそなんで人間のくせに魔王派になんて就こうと思ったんだ。?」


「いやだなぁ勇者様。

これに決まってるじゃないですかあ。」


薄汚い笑いとともに手で丸を作る。


「そんな可愛らしい顔してよくそんなことが言えるねぇお前は。

で、とりあえず何をすればいいんだ。?」


「そうですねえ、最初のダンジョンがある国まで道のりは長いですしまずはレベルを上げながらこの近くの人間の村でも目指してみたらどうですか。

勿論魔王派なことはくれぐれも内密に。」


「レベル?そんなもんどこで分かるんだよ。」


「魔王様から行き際に魔道書みたいなものを貰ったでしょ。あれを開けばヘルエクスから常に魔力を伝って更新していきますので。」


「なるほどなぁ。どれどれ。」


俺はバックから魔道書を取り出し開いた。


「Lv.1かぁ、まあそりゃそうだよな。

ジョブはー……魔王派の魔王見習い。」


分かってはいたものの嫌な響きだ。


「レベルは魔物、はぐれを倒していけば上がっていきますから。

ほらそこにいるやつとか。」


チップが指を差した先にはスライムのような一つ目の化け物がいた。


「ちなみに魔道書を相手にかざせば相手のレベルとステータスも勇者様同様に表示されますので。」


「そうか。よし!なら早速行けっチップ。

あのスライム野郎に攻撃だ。」


「嫌ですけど?。」


「はあー?!。」


「勇者様の旅なんですから、はぐれの相手は勇者様がお願いしますよぉ。」


「いや、どういうことだよ。

お前俺の家来だろ?用心棒だろ?!。」


「僕は非戦闘キャラなんで。」


「じゃあお前のその背中に背おってる剣はなんなんだよ。」


「ファッションですけど?」


「そうかファッションだったのかぁ。」


「そうですよぉ、嫌だなあもう。」


真顔で二人は見つめ合う。


「……ふざけんなぁー。

いいから行ってこいっつってんだよ。

お前がたとえ死んでも俺が代わりに村までたどり着いてやるから安心しろって。」


「ふざけないでください。

たとえ勇者様が死んだとしても僕はそれを魔王様に報告して依頼料をとっとと貰って勇者様の分まで楽しく暮らしますから安心してくださいよっ。」


二人は取っ組み合って醜い口論を始めた。

そしていきなりそのスライムらしき化け物が飛びかかってきた。


「行けーーー。

勇者様ーーー。」


そういうとチップはおれを化け物の方へ突き飛ばす。

化け物は口を大きく開き牙を剥き出しに襲いかかる。


「ぎ~やぁ~~~。」


「あれ?そんなに痛くないぞ?

こいつのレベルって……


俺は魔道書を化け物にかざした。


「Lv.1、よし!これなら行けるぞ!。」

「とりゃー。」


俺は武器の檜の棒をスライムに叩きつけた。

するとスライムは光のように消えていった。


「やった……のか?」


魔道書を見ると魔道書が光っていた。

魔道書が更新されたのだろう。


「おー、Lv.2に上がったぞ。

ステータスも上がってる。」


「いや~よかったですねえ勇者様ぁ。」


「何も良くねえよ。

お前よくも俺を突き飛ばしてくれやがったな。」


「あ~すみません、つい手が滑ってしまって。」


「お前さっき行けーーーとか叫んでなかったか。?」


「嫌だなあ、非戦闘キャラとはいえ勇者様を突き飛ばすなんてことするわけないじゃないですかぁ。」


「はぁ、まあいいや。

これなら俺でも倒せそうだしとりあえず片っ端からこのスライムどもを狩るぞー。」


「頑張ってください。

じゃあ僕はあっちの木陰で休んでるんで。」


「あの野郎ー、新しい仲間を雇ったらそく首にしてやるからなあ。」


と、俺は心の中で思いながらスライム狩りを続けた。

そしていつの間にか日は暮れ始めていた。



~その夜~


俺たちは結局村まではたどり着けずに野宿をすることになった。

そもそもこの世界に四季というものが存在しているのかすら俺には分からないが比較てき暖かい。

俺たちの周りには綺麗な星空と薪の火だけが美しく俺たちを照らしていた。


「これだけやってもLv.5かあ。」


「まあ相手がスライムだけですからねぇ。」


「お前は何もしてないけどな。」


「堅いことはきにしないことですよ。」


「にしても腹減ったなぁ。

この世界に来てからまだ何も口にしてないぞ。

この森にはスライム以外になんか食えそうな獣でもいないのかよ。」


「夜はより危険なはぐれどもがうようよいますからねえ、無闇に動かないことですね。」


「そうだな。

今日は疲れたし、もう寝るよ。

お休み。」


俺は深い深い眠りについた。


「ゆっくり眠ってください。

そう……ゆっくりと……ね?。」



~翌朝~


「あれ?あれ?あれーーー?!

ない、金も武器もない!どうなってんだ?」


そして何より


「チップもいなくなってやがる。」


考えたくもないがこれは状況的に……。


「チップの野郎に騙されたーーー!

待てよ、金もない武器もない用心棒もいない。


俺ただの一紋無しの旅人じゃねーか!

どうすりゃいんだ?

こうなったらとりあえず村を目指そう。

幸いにも村まであと少しだ。

でも金がないから飯も食えねぇ宿もねぇ武器も買えねぇ……こうなったら

村からその辺盗むしかねえー!

そうだよ、今の俺は魔王派の一味で勇者でもなんでもないんだから別に構わんだろぐははははー。」


俺の中で完全に何かが壊れた。

そして俺は村にたどり着いた。



盗みを働く為に……
































ということで第三路はこんな感じです。

二路よりかは説明を詳しく書いたので世界観を掴めて頂けたかと思います。

しかし主人公が盗みの計画を企てるとは我ながらなんて主人公だと思いました。

次回はようやくヒロインの登場です。

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