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第17話 必要なのは誰かの協力


 ──夜八時過ぎ。

 俺は自室にこもり、ノートパソコンを片手間に宿題をしていた。

 ふと。

 メールが届いたことを知らせる音が鳴る。

 シャーペンを宿題の上に置き、俺はノートパソコンへと向き直った。

 カーソルを操作し、画面を見つめる。

 Jからだった。


【こっちは別にええねんけど。お前、親にはこのこと何て言うてんねん?】


 ……。


 読み終えて。

 俺はボードをタイプし、メール本文に文字を打ち込んでいく。

 打ち終わり。

 送信ボタンをクリックして、Jに送信する。


 ……。


 溜め息を吐いて。

 俺は再び無言で宿題へと体を向け、シャーペンを手にした。

 いつも通りに問題集を解いていく。


 ……。


 シャーペンが止まり。

 俺はぽりぽりと頭を掻く。

 問45がどうしても解けない。

 うーん、なんでだろう。

 近くにあった本棚から参考書を引っ張り出して、ぱらぱらとページを捲っていく。

 たしか似たような問題がどこかにあったような……。

 何度捲るが出てこない。


 はぁ……。なんかマジむっけー。明日ミッチーに聞こうかな。


 参考書を閉じて。

 問45を飛ばして次の問題に進む。

 次の問題になればスラスラ解けた。

 答えが合っているかは知らないが。


 しばらくして。


 パソコンからメールの通知音が鳴る。

 俺はキリが良いところまで問題を済ませると、シャーペンを机上に置いた。

 咳払いを一つして。

 パソコンへと体向きを変え、マウスを操作して届いたばかりのメールを開いた。


【それ、ほんまなんか? ほんまにお前の親、それで納得してんのか? お前の親は俺のこと知らへんのやろ?】


 ……。


 手を止めて。

 俺は天井を見上げてしばし考え込む。

 ふと、視線を下ろして。

 机の上に置いていた卓上カレンダーへと目を向ける。

 そして指折り数えて内心で納得し、再びパソコンへと向き直った。

 メールに文字を打ち込んでいく。


 ……。


 打ち終えて。

 俺はメールを送信した。


 しばらくして。

 すぐにメールの返事が戻ってきた。


【それバレたら、俺どないすんねん!ヽ(`Д´#)ノ】


 ……。


 うーむと唸って、俺は腕を組んで眉間にシワを寄せると考え込んだ。

 もう一度卓上カレンダーへと目をやって。

 そしてもう一度、今度はゆっくり確実に両手を使って丁寧に指折り数える。


 よし。


 うんうんと自己満足的確信を抱いて、俺はメールに文字を打ち込んでいく。

 打ち終えて。

 俺はメールを送信した。


 すると一息の間を置いて。

 今度はすぐにメールは返ってきた。

 メールを開いて内容を確認する。

 Jからの返信はたった一言だった。


【>大丈夫。 ←アホか!(ノ#-_-)ノ ~┻━┻ 】



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