帰道(22)
それまで機体に纏わり付いていた粘つく闇が退き、兄妹は自分が最深部に到達したことを知った。誰に教えられた訳でも無く、本能的にそれを悟った。
闇から一転して目の前に広がっているのは何も無い、本当に何も無い純白の空間であった。頭上も、足下も一面の白一色の空間であり、彼方を見渡しても天と地とを隔てる水平線にあたる境界すらも定かではなかった。
自分が踏みしめているのは本当に定まった大地であるのか――白色の世界の中で“地面”の存在を兄が一瞬とは云え疑ってしまったのは不可抗力であるとはいえ軽率であった。
『――!?』
その疑念を抱いた瞬間、キャリバーの体が落下を始める。
墜落と言うよりは溺れ沈んでいくといった方が感覚的にはより近いものであったかもしれない。この一面の白い世界に果たして“底”はあるのか、永遠に落ち続ける羽目になるのではないのか。そもそも沈んでいるという感覚すらも正しいものなのか。
分からない。何が正しいのか分からない。
取り乱しかけた兄の耳元に、その時妹の短い悲鳴が響いた。
戸惑いの悲鳴が。
(―― 一暁!)
兄は己自身を叱責した。
(しっかりしろ、紀藤一暁!)
妹が居る。護らねばならぬ妹が居る。
いつ途切れてもおかしくない兄の意識ではあったが、その一点だけが強固な想いとなって彼の心を満たした。
雑念が失せ、兄妹を責め苛んだ落下も止まる。機体の足下が――依然として白一色とは云え――再び確固とした床面へと戻る。
(お兄ちゃん!)
動転から覚めた妹が自分を呼ぶ。その思念の鋭さに、妹が何を成そうとしているのか具体的で告げられずとも兄には自ずと分かった。
最深部であるこの場所で、自爆を敢行しようというのだ。
(待て、ふたは!)
兄が咄嗟にその強攻策を制止したのは、無論この期に及んで怯んだからでは無い。この最深部のどこかにコルテラーナが――否、彼女という存在を“夢見る”サリアがいる筈であった。その存在を確認するまでは、そしてそれを確実に巻き込む位置に立つまでは、迂闊に自爆する訳にはいかないと兄は考えたのである。
ここが最深部であるというのもあくまで彼等兄妹の直感でしかなく、いまだにまやかしの空間の中である可能性も捨てきれない。兄が躊躇ったのも無理なからぬものであった。
だがそんな彼等兄妹を嘲るが如く、周囲を取り巻く白い空間がその様相を突然に変じた。
天と地の境すら無い空間に一つの巨大な貌が浮かぶ。
彼等の頭上一杯に広がる見知った男の貌。
流血にまみれた半死半生の男の貌が。
(ガッハシュート……!)
兄と妹は同時にその男の名を呼んだ。
*
元はシノバイドであるミィアーの止血の腕は確かなものであった。
跪き、己自身とナナムゥの止血処理を終えた彼女はスクと立ち上がると、今度は離れた場所に呆けたように転がったままのナイトゥナイの方に向けて歩き出した。
「――待て」
そんなミィアーをナナムゥが見咎めたのは、彼女が手の内に握る守裏遣太夫を認めたからであった。
「何をするつもりじゃ?」
「……」
呼び止められた形となったミィアーは流石に一旦はその場で脚を止めた。しかしナナムゥの方に振り返ることまではせずに、背を向けたままで答えた。
「私はモガミ様より、キャリバーの護衛忍務を仰せつかった」
ミィアーの呟きからはいつもの丁寧な口調が消え失せていた。それだけで彼女の怒りが相当なものであることをナナムゥは悟った。
その場で待機しているように言い含めておいた筈のキャリバーは、彼女達が目を離した隙に姿を消していた。独りで“黒き棺の丘”の中心地に向かったことは間違いないだろうが、そうなる可能性をナナムゥは――切迫した状況だったこともあり――まったく考慮していなかった。
「私は忍務を果たせず、それどころかキャリバーの任務自体が果たせない可能性が強くなった」
守裏遣太夫の切っ先を、ミィアーはナイトゥナイへと向けた。そこには明確な殺意があった。
「その罪を、その命で贖ってもらわなければ!」
「待て!」
守裏遣太夫を妖精族の小さな体に投擲しようとするミィアーを、ナナムゥは懸命に止めた。
「気持ちは分かるが、待て」
「……」
もし、ナナムゥが“糸”によりミィアーの体の自由を奪おうとしていたら、ミィアーは有無を言わさず死の刃を振るっていただろう。そうしなかったのは、背中越しに聞こえるナナムゥの声があまりに真摯であった為である。
「キャリバーが失敗したら、どうせ皆死ぬ。わざわざお主が手を汚す必要もあるまい」
「馬鹿なことを!」
待ちこそしたが、ミィアーの返答は取り付く島もないものであった。
「世界が滅ぶ瀬戸際にこんな妨害をして、それでもなお許せと!?」
吐き捨てつつ、流石に感極まったのかミィアーは上体を捻りキッと背後のナナムゥを見据えた。
「――!?」
ミィアーの茶色の瞳が驚愕に見開かれる。
血止めをした時点では地に両脚を投げ出していた格好だったナナムゥは、今はその居住まいを正していた。地面に正座をしたばかりか、振り向いたミィアーに対し両手を突いて深々と頭を下げる。
俗に言う土下座である。
無論、閉じた世界においてその様な風習は一般的なものではない。だがミィアーはシノバイドとなるべくモガミに師事している間にその意味を学んでいた。シノバイドでは無かったにせよモガミに同じく師事していたカカトもまた然りであり、“同化”によってその知識を受け継いだナナムゥもまた土下座の持つ意味を理解していた。
互いに意味が通じると知っていたからこそ、ナナムゥは額を地に着けたまま請うた。
「これ以上、友が殺し合う様を見とうはない」
「……」
「ワシの中のカカトもそう望んでおる。堪えてくれぬか、ミィアー」
顔を伏せたままのナナムゥからは見えなかったが、その時ミィアーの視線が変じた。自分が向かおうとした先、すなわち地に這いつくばったままのナイトゥナイの姿をミィアーは再び凝視した。
カカトの名がナナムゥの口から出た時に、呆けたままだと思っていた妖精族に反応が生じた気配をミィアーは見逃してはいなかった。シノバイドである彼女の耳もまた、ナイトゥナイが小さな嗚咽を漏らし始めたことを捉えていた。
子供がべそをかくような拙い嗚咽に、ミィアーは表情を一切変えぬまま身を翻しナイトゥナイに背を向けた。許した訳ではない。やらかした事の重大さは、決して許せるものではない。それでも嗚咽を漏らす小さな妖精の姿は、彼女の怒りを萎えさせるには充分過ぎる醜態であった。
それにと、ミィアーは考えを改める。“ティティルゥの遺児達”に寄生されていたということは、あの襲撃はナイトゥナイ本人の意志では無かった可能性もある、と。
尤も、己の心に隙があるからこそ付け込まれるのだとも呆れはしたが。
「すまん」
無言のまま自分の方に戻って来るミィアーに対し、ナナムゥは顔を上げ改めて謝意を述べた。そして、よっこらせと言わんばかりに立ち上がり、満身創痍に近い体でありながらその場で軽い屈伸運動を始める。
「……?」
「よっし!」
訝しげなミィアーの視線に対し、最後にナナムゥはその場でピョンと小さく跳ねてみせた。
「わしは行くぞ」
ナナムゥの視線は、彼方にそびえる暗黒の天蓋に向いていた。彼女が向かおうとしている場所がそこ――すなわち世界の中心地である“黒き棺の丘”であることは自ずと明らかであった。
ミィアーが訝しげな表情をあからさまに浮かべてしまったのは、今更キャリバーの後を追っても間に合わないことは、ナイトゥナイに迎撃に要した時間から既に確定的であったからに他ならない。
ミィアーの何か言いたげな視線に気付いたナナムゥは少しはにかんだ笑みを浮かべ言葉を続けた。
「キャリバーを出迎えに行ってやりたいが、元よりそれは叶わぬ話じゃ」
この世界を救う為に、キャリバーには“黒き棺の丘”の中心で自爆してもらわなければならない。それすらも、現状可能な憶測混じりの最善の手段でしかないが、それでもキャリバーは行き、彼女達もそれを送り出した。
死出の片道切符であり、機兵が戻って来ることは有り得ない。仮に自爆に失敗し逃げ戻って来たとしても、その時にはコルテラーナが“台座”より降らす赤い雨によって、ナナムゥもミィアーも既に命を落としていることだろう。
今更ナナムゥが機兵の後を追っても詮無い話でしかない。
「じゃが、それでも、少しでも近くにいてやりたいと思うのじゃ。せめて、せめてな……」
そう言って歩み始めるナナムゥの背を、ミィアーは見送りながらも思いを巡らす。
「……」
やがてフッと軽い溜息を吐くと、ミィアーは珠に戻した守裏遣太夫を袖口に収め、ナナムゥの背中を黙って追った。
声こそ掛けられなかったものの、自分に追随するミィアーの気配を背中越しに感じ、ナナムゥもまた口の端に微笑みを浮かべた。
両者が歩み始めて、さして刻が経たぬ内のことである。二人の背後で大きな噴射音が鳴り響いた。ナナムゥは振り返っただけに留まったが、ミィアーは再び手の内に“旗”である珠を握り構えた。
噴射音の正体は妖精機士が飛び立つ音であった。それも全壊に等しいナイトゥナイの四脚の妖精機士ではなく、“ティティルゥの遺児達”が操作していた子機によるものである。廃棄されていたとは云え、子機も元々は妖精皇国謹製の妖精機士であった。ナイトゥナイはその内の一機に搭乗した訳である。
宙に飛び上がった妖精機士は、ナナムゥ達に背を向ける格好でそのままフラフラと飛行を続けた。
ナナムゥ達から離れるように。
“黒き棺の丘”に背を向け全てのことから逃げ去るように。
最後の力を振り絞ったかの如くに、ナイトゥナイは――機構的にそもそも可能であったかは兎も角――ナナムゥ達に一撃を加える素振りさえ見せずに飛び去っていった。
口にこそ出さなかったが、往生際の悪いことだとミィアーは哀れみの視線でそれを見送った。
(あの世となるか、この世となるか――)
ミィアーとは異なり、ナナムゥの白眼の少ない碧い瞳は逃げ去る妖精機士の軌跡を名残惜しげに追った。
(叶うならば、いつかまた会いたいものじゃな、ナイ=トゥ=ナイ……)
ナナムゥは身を翻すと、再び“黒き棺の丘”に向けて歩み始めた。
*
兄妹の頭上一杯に広がるガッハシュートの貌が、驚愕の内に別の光景に切り替わる。ガッハシュートともう一人の見知らぬ女とが焚き火を囲む旅の一幕に。その見知らぬ女こそが在りし日の香天花イグラッフであるが、兄妹にそこまで分かる筈もない。
それよりも兄は画像の端に写る“三人目”の腕の存在に気が付いた。それがこの光景を“視て”いる女の腕であること――すなわち頭上の光景がその何者かの視界であることにも。
(これはコルテラーナの記憶……いや、『夢』か!?)
三度、そしてそれ以上に頭上の光景が変じる。時には頭上一面に、時には万華鏡のように細切れに浮かぶ光景の正体に兄はようやく思い至った。そしてそう強く認識した瞬間、周囲の光景が更に一変した。まるでこれまでの全てが幻の出来事であったかのように。
頭上に広がる光景がコルテラーナ――否、サリアの追憶であることは確定的である――そう認識すると同時に、キャリバーを取り巻く周囲はこの魔境に始めて脚を踏み入れた時と同じく純白の空間へと戻った。天と地の境も定かでは無い、涯なき単色の世界へ。
(――まずい!)
再び白色の空間に溺れ沈む愚を犯すことを、最初に兄は強く懸念した。
その為に、足下に単眼を向けようとした兄であったがそれは叶わなかった。妹が機体の視界を奪ったからであるが、その赤く輝く単眼が見据えていたのはまるで始めからそこに鎮座していたかのような彫像めいた女の躰であった。
(酷い……!)
妹の唖然とした呟きは、まさに兄の呟きでもあった。
“彫像”としか言いようのない、髪も肌も灰白色の女性――色素が抜けたという方が適切か――も又、大きく目を見開いた断末魔めいた表情を浮かべていた。
兄妹にとって見知らぬ女性ではない。コルテラーナと瓜二つの貌――すなわち彼女こそが、六つの“旗”を集めた最初にして最後の“旗手”、この世界を“夢視る”サリアであることは間違いなかった。
それは、目的であった密封世界の中心点に到達したという事を意味していたが、兄妹にとってその感慨に耽る猶予は与えられなかった。それ程までに異様な光景であったのだ。
サリアの全身を貫く幾つもの黄金の“杭”。ちょうど人の拳の中に収まる太さのその“杭”が六本、四方八方からサリアの体を刺し貫いていた。
生身であったならばそれだけで全身が引き千切られる程の衝撃であっただろう。兄妹がその痛みを想像し身震いする、残酷な処刑法と見紛う程の惨状であった。
黄金色の六本の“杭”、それがサリアの“夢”視る紛いモノ――すなわちナナムゥ達が持つ“旗”とは違う本当の“旗”であることは、兄だけで無く流石の妹も一目見ただけで理解していた。その“旗”が彫像の側頭部や腹部をも容赦なく刺し貫いていたのである。心の臓をも。
暗黒の丘の中心部に辿り着きさえすれば、もしかしたら“夢視る”サリアを解放する手段があるのではないか、その想いが兄妹に僅かにあったのは事実である。だが目の前の“彫像”の有様は、彼等のそんな甘い希望を打ち砕くには充分過ぎる惨状であった。
チリッとした痛みが彼等の脳内を奔ったのは、絶望の心痛によるものであったのか。
絶句する試製六型機兵の背後から拍手の音が響いたのはまさにその時であった。
『――!?』
弾かれたように背後を振り返るキャリバーであったが、そこにはただ白い空間が変わらず広がるのみである。
幻聴とは思えない、そう訝しみながらも再度サリアの彫像に視線を戻した時に、ソレが彫像の背後に浮かんでいた。
純白の空間に染み出た黒い靄。五指すら備えた人の似姿ではあったが、漆黒の表層には明確な凹凸は認められず、さながらピクトグラムめいた第一印象を兄妹に与えた。当然、男か女かすらも定かではない。貌にあるのは鼻筋のみである。
その霞の虚像が再びゆっくりパンパンと、拍手の仕草を繰り返す。明らかに自分達に向けた称賛の意図を前に、キャリバーの中の兄は激しく恐れ慄いた。
(拍手だと!?)
自分が元居た世界の慣習を披露された。それも魔境の最深部の得体の知れぬ存在に、である。
まるで自分の頭の中にある知識を読まれたかのようだ――そう兄が悍ましい憶測を思い浮かべると同時に、再び彼の頭にチクリとした刺激が奔った。妹にも。
彼等兄妹の脳裏に謎の声が流れ込んできたのはそれとほぼ同時であった。少なくとも兄にとってその声は、幼き頃に聴いた母親の穏やかな声にも似ていた。
『そうだ、私はお前達の思考と記憶を読み、お前達が理解出来るように語り、動いている』
『……!』
己の思考を覗かれるなど、許容できることでは無い。しかし自分達に語り掛けてきたということは交渉の余地が――例えほんの僅かでも――有り得るのではないかと思い直した兄は、対話を試みようとした。
だが、機兵から出て来た言葉は妹の言葉であった。視界と同様に兄の制御は奪われていた。
『なんで、こんな惨いことを!?』
目の前に浮かぶ靄――陰としか形容しようのない存在が果たして“彼等”そのものであるかは定かではない。母の似姿と声で兄妹を惑わした“番人”に酷似している為、それと同一か少なくとも近しい存在であることは間違いないが、まだ名乗りすら上げていない。兄にとって訊きたいことは山のようにあった。
にも関わらず兄が妹に後れを取ったのは、彼が意識を保つことすら既に限界に近かったからに他ならない。
『インガーかつサレインの摂理に伴うクラムトの施しだ』
『はぁ!?』
脳裏に直接響く声に、思わず妹は些か間の抜けた声を返した。陰はそれに対し“お手上げ”という無駄に人間臭い仕草で応えたが、続く返答自体はにべもないものであった。
『下層次元のお前達に理解可能な翻訳自体が存在しない。存在しない以上致し方のないことだということ程度は理解可能ではないか?』
陰による脳裏に直接響く声に冷笑の響きが含まれていたならば、まだ煽り目的の戯れ言だと兄妹も切って捨てることができただろう。しかし陰の声はささやかな波紋のように淡々としており、その言葉が掛け値無しの真実を告げているのだということを、特に兄は嫌でも悟らざるを得なかった。
『お前達もシャーレの中の細菌に、観測の趣旨を一々説く真似はしないのだろう? 私にとってのお前達はそういう低次の存在だ』
ぐっと、兄は言葉に詰まった。ある意味論破されたに等しい。
兄の小賢しさ故であったが、妹は違った。
目の前の晒しモノめいたサリアの惨状に対する強い憤りがあった。鷹揚に意味不明なことしか言わない陰の態度にその怒りは頂点に達した。
(お兄ちゃん、ごめん!)
妹の意志が流れ込んできた瞬間、兄は彼女が何をしようとしているのかを悟った。しかし機体の制御を奪いそれを止めるだけの強固な意志の力は今の兄には遺されてはいなかった。
妹が腕部の魔晶弾倉の起動を――龍遺紅を砕き自爆の種火となることを試みる。
元より自分達の余命が無いことを知るが故の躊躇の無さ。兄だけであったならばここまで潔い決断はできなかっただろう。
だが、できなかった。
妹にもできなかった。
自爆を強行することが。
魔晶弾倉が起動することはなかった。
ゴトリと、胴体の“紐”を介して接続されていた右腕が地に転がり落ちる。それを皮切りに左腕が、脚部が、腰部が、終いには頭部までもが、“紐”の結合を解かれ成す術も無く崩れ落ちる。
『なんでっ!?』
頭部の接続が胴体から外れると同時に、兄妹の視界が真っ黒に染まる。とは云え、目視できずとも四肢の結合が喪われたことは感覚で分かった。
無念の叫びを上げる妹と、愕然とする兄の脳裏に、再び陰の声が響いた。
『まだ理解できていなかったのか? お前達の思考を読んでいると伝えておいたが』
陰によって下された宣告は兄妹にとって絶望的なものであった。
『我こそは“我等”――お前達が“彼等”と呼ぶものの“目”であり“カリス”であり“指”であり“舌”である』
試製六型機兵の胸部と腹部の前面装甲が裂ける。内部に詰まっていた大小様々な紅い水晶片が溢れ落ちる様は、腹を割かれた人間の臓物がこぼれ落ちるソレに似ていた。
『お前達の自爆を阻止することなど容易いことだ』