08.閑話:村人たちの気持ち
さらっと読めます
すごく短いとも言いますw
case1 門番の場合
おらが守ってる門の外さでぇ、守り神様の子どもさがくるりと回ったときはおったまげたでぇ!
子どもさ言うても大きくなったら守り神様さなるだでぇ。
その守り神様の子どもさがあの娘さを守護するって態度で示されたでぇ!
おったまげねぇわけねぇでぇ!
前に守護さもらったのはぁ、村長さのお父さんだったでぇ。随分昔の話だでぇ。
もう守護さもらえねぇだと思ってだでぇ、嬉しかったでぇ。
訳
私が守っている村の門の外で守り神様のお子がくるりと回った時は心の底から驚きました。
お子と言っても大きくなった守り神様になる存在です。
その守り神様のお子があのお嬢様を守護すると態度で示されました。
驚かないはずがありません。
以前に守護をいただいたのは村長の父君でした。随分昔の話です。
もう守護をいただくことはないかもしれないと思っていたので、とても嬉しく思いました。
case2 村の女性の場合
はじめに驚いたことは、治癒術師様が守り神様のお子様とお戯れになっていたことです。
守り神様のお子がまるで子犬のように治癒術師様に懐いている姿には本当に驚きました。
ましてや、しっぽにリボンを結びつけるだなんて考えられません。
それもさることながら、守り神様のお子にお迎えがきて別れの挨拶を交わしている時です。
村の言い伝えでもある、「守護のひとまわり」を守り神様のお子がなさったのです。
正直言って、信じられませんでした。
まさか、村の住人ではないしかも女性に対して行うだなんて……なんて羨ましい!
コホン
今まで守護をいただくことができたのはすべて村の住人である男性だけでした。
守護をいただけないかとお伺いに向かえるのが男性だけだったので、必然的にそうだったのです。
今回、女性でも守護をいただけるというのがわかったのですから、今後は女性もお伺いに向かわせていただけるように村長に言わねばなりません!
ああ、本当にあのふわふわに毎日触ることができるなんて、羨ましい……!
case3 村長の孫の場合
はじめてみたときから、おねえちゃんはすごい人だと思ってたけど、もっともっとすごい人だった。
村の人じゃないのに、狼の子どもから「しゅご」をもらえるなんて、すごすぎる!
ここはおれがだいひょうして、おねえちゃんをおよめさんにもらわないとね!
およめさんにもらうには、ちかくにいるおにいさんがじゃまだからなんとかしないとねー!