12.内容を確認してから契約しましょう
すっっっごく短いです
前の話にくっつければよかったとすごく後悔しています
しれっと契約したけれど、気になることがあった。
「あのさ、いきなり契約したけど、契約内容の確認とかしなくていいのか?」
ヘキサとテトラは二人で顔を見合わせて、その後ボクに不思議そうな顔を見せながら答えた。
「我々はこの見た目からわかるように、人間の従者のようにジルクス様に付き従うつもりでしたが、間違いでしたか?」
「一生、主様のお世話するつもりだったんだけど!もちろん、朝から夜まで……夜のお世話もお任せ!」
ヘキサはいわゆる執事服と言われている服装を着ているし、テトラはゴスロリ風のメイド服を着ている。従者だとかお世話しますだとか言われると納得しそうになった、だけれど、呼び出した理由はそれではない。
「夜のお世話は必要ないから……。ボクは護衛が欲しくて呼び出したんだ」
ボクの言葉にヘキサの眉間に皺がよった。
何かまずいことを言っただろうか。
「困りましたね。我々、天使族は武器を持つことを許されておりません。お役に立てるかどうか……」
「ヘキサはそんなこと言うけど、天使族って戦闘種族だからね!」
「はぁ?」
ヘキサとテトラで言っていることがちぐはぐだ。間の抜けた声を出しても仕方ないだろう!?
ボクのそんな様子を見て、テトラがニヤっとした笑みを浮かべて言った。
「武器は持てないってだけで、武器じゃなきゃいいの!私は箒で戦うし、ヘキサはカトラリーがあるから!」
テトラは何もない空間から箒を取り出して、庭を掃くような仕草をした。よくよく見れば、その箒は金属製であり魔石がいくつも組み込まれている。
「……つまり、箒で戦うメイドと、カトラリー……フォークとかスプーンで戦う執事というわけか」
「主様ってば、理解力が早くていいわー!」
テトラはその場でぴょんぴょんと跳ねて喜んでいる。
天使族というのはもともと能力が高い種族でってことは、鑑定の結果からわかっている。そこに戦闘種族という話が付け加えられれば、それなりの戦力になるのだと考えてもいいのだろう。
他にもいくつかの契約内容の確認を行った。
「お望みであれば、常に行動を共にすることも可能ですが?」
という言葉はお断りして、二人は普段自由に行動してもらって、用事がある時だけ金環を通じて呼び出すということになった。なんでも、瞬間移動ができるらしくすぐさま駆けつけることが可能だそうだ。
「それでは主様!何かあったらすぐ呼んでね!」
「ジルクス様、後ほど」
そう言って、二人はふわっと空に消えた。
もちろん、二人を鑑定しておいたので瞬間移動のスキルは習得済だ。
他にもいろいろとスキルを覚えておいたので、後日試してみようと思う。
読んでくださってありがとうございます!
ちょっと迷走中でして、話がファンタジーよりになってますがそのうち恋愛に戻ります