表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/156

07.兄とまともに話すの初めてです

 王立学院に入学してしばらくたった時、マイン兄と話をする機会ができた。

夕方の人気の少ない中庭のベンチに腰掛けているとマイン兄のほうから話しかけてきてくれたのだ。


「入学おめでとう、ジルクス」

「ありがとうございます! マイン兄」


 はっきりと兄と呼んだのは初めてかもしれない。

 隣に座るようにお願いした後、国王が使っていたのと同じスキルを使った。


「……隔離アイソレーション


 マイン兄の表情が変わり、状態:驚愕になっていた。

 スキルを使っているところを見せるのも初めてだったかもしれない。

 にっこりと笑いながら、話し始めた。


「お久しぶりですね。2年ぶりでしょうか」

「そうだな、長期休暇もこちらで過ごしていたからね」

「マイン兄が入学されてから、少しあとくらいにあった事件のことはご存知ですか?」

「…いや、何も聞かされていないが……」


 学院に入ると、王宮内の出来事は耳にする機会ってなくなるのだろうか。

 それともマイン兄が王宮と連絡を取らないようにしているのか。

 ちょうど隔離してあるし、話しておこう。


「シェライラ様が呪詛を受けまして……」


 マイン兄の母であるシェライラ様が呪いを受けて重体になったけれど、ボクが呪いを解き回復をした。

 呪いをかけていたのはリリアーナ妃()で呪い返しを受け、今度はリリアーナ妃が呪われた。

 リリアーナ妃はそのまま懲罰塔へ入れられて、いまだに苦しんでいるという。


 本当に知らなかったのだろう。マイン兄は驚きっぱなしだ。


「正直なところ、ボク自身にも母は呪いをかけようとしていたので……その、自業自得だと思います」


 この世界の母ではあるけれど、いい思い出がないので苦笑しか出ない。

 ボクの姿を見て、マイン兄の顔には少し影が入ったように見えた。

 気にしないでほしいって言ったとして気にしないでいられるわけもないだろうし…。

 話を切り替えるの一番だろう。


 今度は逆にマイン兄の学院での生活について聞いた。


「マイン兄は学院でどういった生活を送っているのですか?」

「生徒会に所属して、擬似的な政治を体感しているよ。来年は高等学院へ通う予定だし、よい事前学習になると思っているよ」

「生徒会……ですか」


 ボクは将来、王弟としてマイン兄の手伝いはしたいと思っているけれど、深くは関わりたくないとも思っている。

 一緒になって生徒会役員になるのは、ちょっと……言い訳なんてどうでもいいか。

 うん、面倒くさそう!


「私は3年間ずっと生徒会に所属しているんだ。ジルクスもやってみないか?」

「い、いえ! ボクは魔法方面に興味があるので!」


 そう言って断ると、マイン兄は心底残念そうな顔をした。


 マイン兄は未だに王太子になり、国を支えるつもりがあるようだ。考えが変わっていないことに安堵した。

 表示されているスキルも隠蔽されているものがだいぶ減ったようだ。

 『賢君』はまだ隠しているようだけれど。


 ちゃんと言葉にしたことはないけれど、きっと今が思いを伝えるべき時だ。


「……ボクは、マイン兄と王位継承争いをするつもりはありません。このまま、マイン兄に王太子になっていただきたいと考えています」


 マイン兄は、わかっていたのかもしれない。驚かずに優しく微笑んで言った。


「これからもよろしく頼むよ」


 ボクは微笑むマイン兄に強く頷いて、そのまま俯いた。

 はっきり言おう。

 ……27年分の女子としての記憶が、マイン兄の笑顔にやられた。

 このイケメンかっこよすぎるんですけど!って訴えてきて悶えそうになる。


 今は、男なんだから、悶えるのはダメなんだから~!




2/4 修正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ