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20.閑話:ミアの心境

(2/3)

初めてジルから「今週の家庭教師はお休み」っていう連絡がきた。

体調が悪いからってことだったけど、治癒術かければ治るんじゃないのかな?

もしかして、魔力使いすぎて倒れちゃったのかな。

残念に思ったけど、また来週会えるしいいかーと思った。


次の週になったら、咳が出て治らないからお休みしますって連絡がきた。

それこそ治癒術をかければいいと思った。

もしかして、かけても治らない……不治の病とか!?

ジルの身に何かあったのかな……。

心配になって、「治癒術かけないの?」って内容の代行便を送ったら、「治癒術では治らない特殊なもので、でも死ぬようなものじゃない」って返ってきた。

でも、家庭教師できないほどなんだから、ヤバイんじゃないの……。

とりあえず、返事がきたからお休みは了承した。


そうしたら、さらに次の週は声が出なくなったからお休みしますって。

どれだけひどい病気なの!?

代行便のお手紙をもらってから、ソワソワしちゃって落ち着かない。


お見舞いに行こうかな。

体調悪くて休んでるのに行ったら邪魔になるかな。

果物もっていったらどうかな。桃みたいな果物を……。

ジルが住んでいる寄宿舎の部屋がわからないな。

いきなり行って、部外者に部屋の場所教えてもらえるのかな。

そもそも男性の部屋に行くのってよくないことだよね。

でも、部屋で息も絶え絶えだったらどうしよう。


心配しすぎて、どんどん不安になってくる。


不安が最高潮までいったとき、ぐいっと方向が変わった。


本当は体調悪くなかったりしないかな。

元気でただ休みたかっただけだったりして。

だって、治癒術が効かないっておかしくない?

それだったら3週も続けて、お休みって変だよね。

もしかして、私に教えるの嫌になったのかな。


別の意味でどんどん不安になってきた。


すぐに代行便で、「お見舞いにいっていい?」って送ったんだけど、「すぐ良くなるから、大丈夫だよ」って返事がきた。

やっぱり、体調不良だったのかな。

私の思い過ごしだったんだなって思ってたんだけど……。


『ごめん、今週も休む』


たったこれだけの内容の日本語で書かれた手紙が届いた。

今までは理由が書いてあったんだけど、今度のは書かれていなかった。


もう体調不良だと思えなかった。

4週間も顔を合わせてないんだよ。

私に教えるの嫌になったのかもしれない。

顔を見るのも嫌なのかもしれない。

もしかして、私のこと嫌いになったのかな。


考えれば考えるほど、嫌な方向へ向かっていく。


何かマズイことしたかな?

振り返っても特に思い出せなかった。


だんだん、怖くなってきて手紙を送ることさえできなかった。

手紙を送られるのも嫌なのかもしれない……なんて思っちゃったからだ。


どうしよう。

悪いことしたなら、原因を知ってしっかりと謝りたい。


ううん、本当に体調が悪いのかもしれないし。


今度こそ次の休息日は会えるって信じられる?


また、休むって手紙がくるかもしれない。


ジルに会いたい。

会って確かめたい。

元気ならいいんだけど。

違う。

元気なのに会ってもらえないなら、どうして?って聞きたいし。


なんかだんだんわからなくなってきた。


とにかく、ジルに会いたい。


会ったら…どうする?

もし、元気だったら、今までどうしてたのか問い詰める。

そうよ、4週間も放置してたんだから、問い詰めたっていいはず。

それにお説教だってしてもいいはずよ。

もっと状況がわかるような内容のお手紙を書いてって言おう。

いっぱい文句言わなくちゃ。


そうよ、そうよね。

こんなにいっぱい悩ませてるんだから、怒っていいのよね!

絶対、問い詰めて、お説教するんだから!!


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