04.どんな学校があるんですか
王都には学術特区という場所があって、特区の北に王立学院、東に騎士団学校、南に高等学院、西に魔法学院って並んでる。
王族貴族が通う場所だから、まとまってる方が守りやすいんだって。
え?女学校がないって?
女学校はなー…歴史的にいうと後から出来た学校で、場所は王宮に近い貴族の家が建ち並んだ場所にある。
王都にある本邸か別邸かわかんないけど、家から通うんだって。
お茶会とか夜会とかとにかくパーティをよく開くから、家に近い方がいいんだってさ。
王立学院はすべての王族貴族だけが入れる学校だったけど、高等学院と騎士団学校と魔法学院の3校は王族貴族だけでなく平民も通うことが可能なんだ。
各校の特色はこんな感じ。
■高等学院
政治経済を主に学ぶ学校で、卒業後は官僚目指すとか大商人に弟子入りする人が多いんだって。
入学試験の難しさは王国一って言われてるらしいんだけど、日本の義務教育受けてたら楽勝っぽいね。
男女比率は7:3で、意外と女性が多い。
王族や上級貴族に嫁ぎたい女性は、政治経済にも詳しくないとね!
■騎士団学校
騎士を目指す人が入る学校で、すごく厳しい訓練があるんだって。
肉体だけじゃなく精神も鍛えるって、何をするんだろうね。
入学試験はほぼないに等しくて、剣が握れればいいってレベルだって。
ただし、卒業するのが難しいらしいよ。
なんでも途中で辞めていく人が多いのだとか。
男女比率は9:1で、王族の女性を守る女性騎士の存在を考えれば、多少は女性がいるのも頷けるね。
サイラスは無事卒業できるかなぁ。
■魔法学院
中級以上の治癒術または魔術が使える人が通う学校で、入学出来たらどこでも雇ってもらえるの間違いなし。
生活魔法や初級魔法を使える程度だと入学試験で落とされるので、入学者数が少ない。
治癒術魔術以外に薬学も教えている。
男女比率は5:5かなぁ。みんな黒いフード付きローブ着てるから性別わからない人もいるんだよねぇ。
■女学校
王族貴族の女性のみ通うことが許される学校で、花嫁修行を行うための学校。
夫が留守の間、屋敷を取り仕切る方法や、社交で恥をかかない実践的な方法、没落しても生きていけるように一通りの家事を学ぶらしい。
真面目に通えば、良い妻になれると思うんだけど、女学校に行きたがる女性は頭悪いの多いからなぁ…。
入学試験はなく、平民は入れない。
婚約者がいる者といない者とでの格差が激しいというウワサ。
自分の身の丈にあった学校へ行けってことだね。
ボクは治癒術も魔術も上級以上なので、必然的に魔法学院の入学試験を受けた。
もし国政に関わっていくのであれば、高等学院行って、その後魔法学院行くっていうパターンもあったんだけど、マイン兄に押し付けたから、それはナシ!
入学試験の結果は、予想通り首席合格だった。
普通の人は、治癒術か魔術どちらかが得意でどちらかが苦手なんだって。
ボクみたいに両方得意って人は、今まで見たことないって言われちゃった。
入学式では、首席の挨拶させられたよ。
なんとかして断れないか?って頑張ってみたけど、ダメだった。
すごく面倒だったから、「研究頑張りたいからお前ら邪魔すんなよ?」的なことを言っておいた。
言っておけば、変な虫が寄ってこないと思ってたんだけど、大間違いだった。
入学式終わってから、一緒に研究しませんか?っていう申し込みが殺到して、すごく疲れた。
研究内容が母の呪い返しの解除とか、絶対言えないし!
片っ端からお断りした。
ミア嬢だったら、生前の知識使って一緒に研究してもいいんだけどなぁ。