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17.ボクに義姉が出来ました

 マイン兄が卒業するまでの間、リュミリアナ嬢へ嫌がらせをする人は多数現れた。

 といっても怪我をさせるようなことはなかったようだ。


「だいたいは嫌味をいってくるだけで、なんともないわぁ」


 リュミリアナ嬢…じゃなかった、ミリア義姉はひどい目にあってから一皮むけたようだ。



 あの事件をきっかけとして、ボクが王族であること第二王子であることがバレてしまった。

 マイン兄が大声で部屋の中へ入ってきたんだもんな。

 サイラスに黙っていてもらったとしても、バレるよね。

 隔離も閉鎖もせずに魔法を使いまくったのもあって、先生たちにも目をつけられてしまった。


 そうだ、先生たちだけじゃない令嬢たちにも目をつけられてしまった。

 ずっとマイン兄を追いかけていた令嬢たちが、婚約して手を出せないってわかった途端、掌を返してボクへむかってきたんだ。

 もう呆れるとか思うよりも、怖くて仕方なかった。

 女子の集団ってマジ怖いんだからっ。


 サイラスには、包み隠さず話した。

 話した後で、身分とか気にせずに今まで通りの態度でいてくれるように頼んだ。


「変わらず友達でいることを誓う」


 って誓う時点で、身分を気にしてるって言ってる気がしたけど、考えないようにした。




 今日はマイン兄たちの卒業式だ。

 マイン兄は卒業後、高等学院へ入ることが決まっている。

 ミリア義姉もマイン兄を追いかけて同じ高等学院へ行くそうだ。

 女学校へ行って、花嫁修業でもするのかと思ってたんだけどなぁ。

 王妃教育と花嫁修業じゃ、内容がまったく違ってくるし、高等学院へ行くのが正しいのかも。


 卒業式が終わると卒業生たちが、広場へ集まる。

 卒業後の進路が違う者たちは、互いにいつか会おうと約束を交わす。

 意中の人がいる者は、チャンスとばかりに思いを告げる。

 後輩から花束を受け取っている者もいる。


 そんな中大きな人だかりの中心にマイン兄とミリア義姉がいた。

 ボクが近づくと気付いた人たちが道を開けてくれた。


「マイン兄、ミリア義姉様(ねえさま)……ご卒業おめでとうございます」


 祝いの挨拶とともに2人には小さな花束を手渡した。


「ジルクスくん、ありがとう。義姉様(ねえさま)って呼ばれるのちょっとだけ照れるね」

「ねえさま……くくく……」

「マイン兄?」


 ミリア義姉は、姉呼びに慣れてないのもあって、少し顔を赤らめた。

 マイン兄は嬉しすぎて、笑顔が崩壊しかかってるよ。

 ボクがミリア義姉を姉と認めていることがものすごく嬉しいらしい。

 ステータスが見えていて、大丈夫って太鼓判押してるってことだからね。


 卒業してすぐ、婚約披露会をやるんだって。

 高等学院に行く人は、官僚になりたい人が多くって、2人の邪魔をする人はいないんじゃないかな。

 あの令嬢たちみたいな女は、ほとんどが女学校へ行くみたいだしね。

 2人には幸せになってほしい。



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