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12.ミアの前世を知りました

説明回っぽいです

 翌日、玉座の間に呼ばれて、皇帝から直々に長期滞在してくれるよう頼まれた。

 昨日の時点で、安定期に入るであろう三十日後までは滞在しようって話になっていたから、ボクとミアは了承の返事をした。

 皇帝はとても喜んでいたんだけど、その喜び方に少しだけ違和感を覚えた。

 ナニカ、おかしいんだよなぁ。



 その日の夜は、歓迎会と称した食事会を開いてもらった。

 皇帝と重臣と一部の貴族が参加しているような感じだった。

 ボクのことはセリーヌ王国の第二王子と、ミアのことはセリーヌ王国一の治癒術師だと紹介された。

 女性の治癒術師が珍しいのか、ミアのことをジロジロと見ていて気分が悪かった。

 その食事会で、皇妃に子どもができたことも伝えられた。

 皇妃の体調が不安定なので、しばらくの間、ボクとミアが滞在するっていう話もされた。


 ボクとミアは微笑んでいるだけで、ほとんど会話をさせてもらえなかった。

 やっぱり、ナニカおかしい気がする。

 おかしいと感じるだけなので、どうこうすることができないのがもどかしい。


 それから毎日、ミアは診察のため皇妃の私室を訪れていた。

 体調の変化を確認するだけではなく、つわりのときに食べるとよい食材を選んだり。環境を整えるように指示したらしい。

 

「何も食べないっていう状態が一番マズイから、とにかく食べられるものを食べてって言ってあるんだよ」


 ミアは診察が終わったあと、ボクの部屋に来てあれこれ話してから帰っていく。

 診察内容や看護方法などいろいろなことを話していくうちに気がついた。

 

「ミアって、もしかして医療関係者だった?」


 この部屋には、侍女や騎士がいるので、『前世』という言葉を使わずに聞いてみた。

 するとミアは大きく頷いた。


「看護学科の学生だったんだよ」


 学生だった。

 それだけで、社会に出ることなく命を落として、生まれ変わったのだとわかる。

 

「学んだことが無駄にならなくてよかった」


 ミアはそういうと微笑んだ。

 その微笑みが悲しそうにも誇らしそうにも見えて、何も言えなくなった。


 帝国の侍女たちは、ミアの指示を素直に聞き、すぐに実行してくれるらしい。

 他国のいきなり現れた治癒術師のいうことを素直にきくって普通はなかなか難しいよねぇ。

 たぶん間違いなく、ミアが聖女だってことバレているんだろうなぁ。

 まぁ、ミアが動きやすいのであればそれでいいか。


 ミアが診察している間にボクはボクで、皇帝の診察をした。それ以外にも重臣と言われている者たちや騎士や従者、ときどき貴族なんかも診た。

 正直に言って、暇だったんだ!

 ミアを連れてきただけの無能な第二王子っていうのも楽でよかったんだけど、あまりにもやることがなさすぎて、いろんな人を診察した。

 その結果、ミアよりは劣るけど、ボクもそこそこ有用であると知れ渡った。




 ボクたちが帝国城へ到着して一週間後、ソフィア姫と宰相が馬に乗った状態で到着した。

 馬車じゃなくて、馬だよ、馬! ソフィア姫って馬に乗れるんだねぇ。

 しかも、旅装姿で帝国城へ現れたらしい。

 たぶん、相当飛ばしてきたんだろうなぁ。


「お母様の病状はどうなんですの!」


 ソフィア姫は到着してすぐに近くを歩いていた重臣を捕まえて、母である皇妃の状態について尋ねたらしい。

 捕まった重臣は、にこにことした表情で答えたそうだ。


「皇妃様は病気ではなく、お腹に子を宿しておられるそうです」


 それを聞いたソフィア姫はその場に座り込んで、よかったよかったって泣くほど喜んだんだって。

 その日の晩餐の席でも終始ニコニコしてたって影からの報告で聞いていたんだけどなぁ。


 翌日になって、ソフィア姫の様子がおかしくなった。


ついに明日、発売日となりました

すでに書店さんに並んでいるところもあるそうです

どうぞよろしくお願いいたします!


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