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12.兄がヘタレだとかボクは認めません

(3/3)

本日投稿分は3本です。

 マイン兄と二人っきりの個別談話室では、腹を割って話そうと決めていた。


「一応、確認を込めて言わせていただきます」


 ラフィリア嬢は……

 スキル:魅了(隠蔽)持ちで、周囲の男性を惹きつけていること。

 もともと平民出でクラディアス伯爵とは血縁でないのに養女になっていること。

 マイン兄に対して、恋愛感情は持っていないように見えること。

 王妃としての素養がまったく見られず、王妃教育を行うに値しないこと。

 ラフィリア嬢を婚約者にした場合、王位継承争いが悪化して、マイン兄が負ける確率が上がること。


 マイン兄はすべてのことにうんうんと頷いていた。

 魅了が解けたことで、正確な判断が下せるようになっているようだ。ホントあぶなかった。


「一つ聞きたいことがあるんだが」

「答えられることなら何でも答えますよ」


 マイン兄は顎に手を当てながら、ゆっくりと言った。


「ジルクスは他人のステータスが見えるのか? しかも、かなり詳細に」

「はい、隠蔽してあるものもすべて見えます」


 国王にも話してあることだし、素直に答えた。


「それなら、私が隠蔽しているスキルも見えるんだな」

「はい、5歳の頃より、マイン兄が『賢君』をお持ちなのを知っています」


 すると、マイン兄は頭を抱えだした。


「今まで……隠していたのが馬鹿みたいだな……」

「ステータス上は隠蔽されてますが、普段の行動を見ていたら丸わかりですよ」

「そんなにわかるか」

「はい。将来、マイン兄が王になった時、王弟として支えていこうと思うほどに」

「そうか。今後もよろしく、だな」


 自然とお互いに握手をしていた。

 ラフィリア嬢のおかげで、マイン兄と仲が良くなれたのは幸いだ。



「話は変わるが、婚約者に向いてそうな女性はいたか?」

「先日の夜会で、マイン兄の周囲にいた女性はすべてダメですね」

「そうか……」

「個人的には、マイン兄にも恋愛結婚してほしいと思っているんですよ。たとえ、王妃としての素養がなくても、愛があれば乗り越えられるかなぁって。もし、気に入った方がいらっしゃるなら、確認しましょうか?」

「……」


 コナかけてみただけだったんだけれど、マイン兄には好きな人がいるようだ。


「その、な……いるにはいるんだが、他の令嬢たちの行動がな……」

「ああ、女性たちってとても陰湿な嫌がらせをしますからねぇ。きっちり守れないうちは手を出せないですよね」

「守りたいとは思っているのだが、令嬢たちのほうが一枚上手だ」

「一網打尽にしてつぶすか、相思相愛っぷりを見せつけるか、ひたすら隠すか……どれがいいですか?」

「ま、まだ……学院に来てからはまともに話していないんだ……」


 マイン兄…もしかしてヘタレなのか!?

 きっと、タイミングが悪いだけだ。そうに違いない。


「それでは、隠れて会うところからですね。こればっかりはお手伝いできません。隔離と閉鎖を使えば、大丈夫だと思います」


 その後も時間の許す限り、マイン兄の意中の人について話し合った。




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