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01.準備を始めます

新章スタートします!


 玉座の間での話し合い(?)が終わってすぐ、ボクは自室へ戻った。

 ソファーへ座り、先ほどのことを考える。


 帝国の皇妃が病気なんて、一大事だ。

 ボクとミアとで治癒術を施せば、ほとんどの病気は治せると思うけど……。

 もし、間に合わなかったら? なんて考えると少しだけ不安になる。

 とにかく急いで向かわないと!

 最速で帝国に向かう方法ってないかな……と考えていたら、妙案が浮かんだ。


 まずはミアに念話を送って、事情を話すところから始める。

 魔力をイヤーカフに集中させると熱を持ち始めた。


【ミアー? 今っていいかな?】


 今は夕方過ぎ……いつもは夜、眠る前に念話をするから、この時間に何をしているのか、わからない。

 念話が繫がっている感覚はあるんだけど、ミアからの返事がない。

 繋がらなかったときは、熱を帯びないって前に経験済だしなぁ。

 どうしたんだろう? と首を捻っていたら、返事があった。


【ご、ごめんなさい! ちょうどお風呂から上がったばかりで……もう大丈夫だよ。どうしたの?】


 ミアがお風呂に入ってた!?

 え? すごく気になるんだけど!

 もしかして今って……!?

 いろいろと想像が浮いてくるけど、今はグッと堪えて先ほど、玉座の間で決まった話をした。


【……つまり、ジルと一緒に帝国に行って、皇妃様の病気を治せばいいんだね?】

【そういうことだね】

【わかった! すぐにリズに準備を頼むね!】

【あとさ、今回の帝国へ行くメンバーなんだけど、ロックハンド領へ行ったときにミアを護衛してた人に頼むことってできるかな?】

【私を護衛してた人? 同じ人がいいってこと?】

【うん。アイテムバッグのスキルが使えるっていろんな人に知られると面倒だから】

【そうだね! 父様に頼んでみるね! 確認取れたら、また連絡するね】

【よろしくね。じゃあ、またあとで】


 イヤーカフの熱が一気に下がって、念話が終わったことがわかる。

 御者も前回と同じ人にしてくれって頼んでこよう。

 つぎは、ヘキサとテトラに確認を取ってみるかな。


 ボクは人払いをして、ヘキサとテトラを呼び出した。


「……呼出(コール)・ヘキサ!……呼出(コール)・テトラ!」

「お呼びでございますか、ジルクス様」

「主様、呼んだー?」


 何もない空間から、銀色の髪に金色の瞳をして執事服を着たヘキサと、同じく銀色の髪に金色の瞳をしてゴスロリメイド服を着たテトラが現れた。

 ヘキサは足を交差して、片手を腰の後ろへ、もう片方の手をお腹の前に回して軽く頭を下げた。

 テトラは、手をひらひらと振った。


「ちょっと二人に聞きたいんだけど、瞬間移動のスキルってさ……他人も一緒に連れていけるよね?」

「いけるよー!」


 テトラが元気よくそう答えた。

 たしか、テトラがバートのことを紐なしバンジーするために連れて行ってたから、できるとは思ってた。

 

「それってどれくらいの距離まで連れていける?」

「距離……でございますか? 近くても遠くても同じ魔力量を消費しますので、制限はないと思われます」


 つまり、遠くても近くても、瞬間移動のスキルを使った回数分だけ魔力を消費するってことか。

 

「じゃあ、何人同時に連れていけるかな?」

「私は、二人くらい。ヘキサだったら、もうちょいいけるー?」

「私は三人でしょうね。ジルクス様の魔力の質であれば、十人でも二十人でも余裕かと」


 同時に連れていける人数って、魔力の質が関係するのか!?

 たしか、ヘキサとテトラを召喚したときに、ボクは魔力の質も量もいいって言われたっけ。


 ボクが考えた『最速で帝国に向かう方法』っていうのは、パマグラニッド帝国に一番近いロックハンド領まで瞬間移動のスキルを使うこと。

 普通にロックハンド領まで向かうと荷物を詰めた馬車で五日かかる。

 前回、アイテムバッグを使って重量軽減、馬たちに治癒術をかけつつ走らせるという強行軍で三日で着いた。

 その三日間すら、短縮したいと思ったんだよねぇ。

 まぁ、見たことがある場所へしか瞬間移動のスキルは使えないから、使えるのはロックハンド領までだけどね。


読んでくださってありがとうございます。

「生まれ変わったら第二王子とか中途半端だし面倒くさいの2巻が

3月30日に発売されます!

活動報告に大きいサイズの表紙・帯付きの画像がありますので、ぜひそちらもご覧ください。



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